確かに、文民政権を安定させるためには、武装組織を軍に統一することが重要な要件となるが、スーダンではこのプロセスが国際社会によってせかされた結果、かえって当事者間の緊張を高めてしまったと専門家は指摘する。

アメリカと国連の調停組織が軍による支配を正当化したため、「銃を持った男たち」が民政移管後の体制を協議することになったというのだ。「本来なら、ブルハンもダガロも民政移管後のスーダンの政治や軍に居場所はない」と、ジェイリは指摘する。

アメリカはこれまで、アフリカの角地域担当大統領特使を置くなどして地域の安定化を図ってきたが、スーダンの和平を仲介する方法は根本的に見直す必要があると、多くの専門家は主張する。

「(ブルハンやダガロなどの)将軍たちは、民政移管を率いるのにふさわしい改革派ではない」とハルツームのシンクタンク、インサイト・ストラテジー・パートナーズのホルード・ハイールは語る。「彼らは野心丸出しの軍人だ。これまでとは全く異なるアプローチを取る必要がある」

エチオピア内戦がアフリカ連合(AU)の仲介によって和平合意にこぎ着けたように、スーダンの和平実現にもアフリカ諸国の協力が不可欠だ。具体的にはアメリカの同盟国や、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなど湾岸諸国の関与が重要だ。

RSFはもともとスーダン西部のダルフール地方で住民を虐殺した民兵組織が母体で、アラブ諸国との関係が深い。一方、ブルハンはエジプトの支援を受けている。

このためアントニー・ブリンケン米国務長官は4月15日、UAEとサウジアラビアの外相と協議して、ブルハンとダガロが「無条件で対立を即時停止」するべきだとの考えで一致したと、声明を発表した。

全面的な内戦は必至か

だが、先行きは楽観できない。「ロシアがスーダン軍に和平交渉に応じるよう説得したが拒否されたと聞いている」と、ハイールは言う。「ブルハンとダガロは、どちらかが死ぬまで戦う覚悟だ」

エジプトがこの紛争に巻き込まれる危険性を指摘する声もある。RSFは最近、エジプト軍がスーダンで軍事演習を行っている動画を公開して、エジプトとブルハンと軍との関係を世界にさらした。

治安の改善や衝突終結を優先するあまり
【関連記事】