230411p18_KKT_03.jpg
西側によるロシア産原油の価格上限設定の効果見極めには時間がかかる(ロシア北西部ノブゴロドの石油精製所) ANDREY RUDAKOV-BLOOMBERG/GETTY IMAGES

あの国の場合は経済の屋台骨が石油ですけど、原油の価格上限設定が始まったのは去年12月からです。まだ始まったばかりなので、これがどのぐらい効くのかは、見極めに時間がかかると思っています。年が明けてから、IMFがロシアは今年プラス0.3%成長という予測を出して衝撃を与えました。

制裁が全然効かないという話もあったわけですけど、そうであるとしても、いま世界的にこれだけエネルギー価格が上がっているのに、ロシアは成長のチャンスをみすみす逃した。ほぼ0%成長になったということでもある。

もう1つは、このIMFの推定が本当に正しいのかと疑問視するような論調が出ている。ロシアの公式統計を無批判に受け取っているんじゃないのか、と。確かに同じ時期に世界銀行が出した予測を見るとこちらは依然としてかなり悲観的です。マイナス3%ぐらいの成長とみている。

ロシアの制裁の影響は、軍需生産に関して言うと、河東先生がご指摘になったとおり将来型のハイテク兵器に関しては相当苦しいのだろうと思います。思い切って中国の技術への依存を強めないと、ロシアが考えるような次世代兵器はもう造れなくなっていく。

一方で普通の152ミリ榴弾砲の弾などだったらロシアはかなり造れている。この戦争でロシアは榴弾砲を月に45万発だか撃っているらしいんです。1日に平均1万5000発の榴弾砲の弾を撃つなんていうのは、どう考えても尋常なペースではない。それだけの大砲があるのもすごいですけど、そこに供給する弾の量を考えると備蓄だけで足りているとは思えない。かなり新規生産しているんじゃないか。

ということを考えても、やっぱりロシアの軍需産業は制裁下でも回っている。ハイテクなものはできないかもしれないけど、ローテクなものはロシアの能力は侮れないと、改めて証明された気がしています。

■河東 経済について付け加えると、今回の戦争を多分最初から引き回した旧KGB、今のFSB(ロシア連邦保安局)が経済に無知なんです。

僕も昔何人かと付き合っていたけれども、何でも命令すれば動くと思い込んでいる。できないことはできないってのが分からない。例えば、ロシアではいまドルを使えないようになっているが、FSB系の人たちはルーブルと人民元で決済するから大丈夫だと言う。それでは当然限界があるわけですが、何で限界が起こるのか、彼らFSBは分からない。

「イギリスでは経済のほとんどは国家の管理下、と言ったプーチン後継者」