■おまけの教訓 指導者によって事態は大きく変わる(当たり前だが)

ロシアのエリート層の間にはNATO拡大に対する幅広い反発があったものの、ロシアの指導者がプーチン以外だったら、1年前に「イチかバチかの戦争」を選んでいなかったかもしれない。アメリカの大統領がジョー・バイデンより想像力豊かで彼ほど教条的ではない人物だったら、迫り来る危機を食い止めるためにもっと努力していたかもしれない。

もしウクライナの大統領がウォロディミル・ゼレンスキーではなく、2019年までその座にあった前任のペトロ・ポロシェンコだったら、ゼレンスキーのように国民を団結させ、諸外国の支持を勝ち取っていただろうか。その可能性は低そうだ。

いまロシア、ウクライナ、アメリカの指導者は、とりわけ教訓3と、イラク戦争で早々と「任務完了」を宣言したジョージ・W・ブッシュ元米大統領のその後の評価を胸に刻むべきだ。

この戦争はまだ終わっていない。今は有能に(あるいは無能に)見える指導者も、砲声がやんで最終的な損失が判明した後には、評価が変わる可能性がある。

From Foreign Policy Magazine

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