価格改定の申入れがあった場合はしっかりと必要性を検討

上記述べてきたとおり、取引価格の決定は、原則的には交渉事となり、これに応じる義務はありません。もっとも、契約上、予め特定の場合には取引価格を変更する定めがある場合には、これに応じる義務がありますので、まずはそうした条項が契約書に定められていないかを確認しましょう。

仮にそうした条項がない場合でも、下請法の適用がある場合に、価格改定の交渉について協議すらしない場合や、特段の必要性を示すことなく価格を据え置くような場合には、下請法上"買いたたき"に禁止に該当し、違法となる可能性があります。

そのため、価格改定の申出があった場合には、まずは自社のなかでこれに応じることができるかどうか、そしてこれに応じることができない場合には、その理由を示し、当事者間でしっかりと協議をするべきでしょう。

同パッケージに基づいて、買いたたきなどの違反行為が疑われる親事業者に対する違反行為情報提供フォームが設置されています。価格改定の申し入れを受けた企業は、適切な対応をすることが肝要です。

価格改定の申入れに対して適切に対応することは、サプライチェーン全体の持続性の確保にもつながり、長期的に見れば自社のメリットにもなるでしょう。

[執筆者]

堀田陽平

石川県出身弁護士

2020年9月まで、経産省産業人材政策室で、兼業・副業、テレワーク等の柔軟な働き方の推進、フリーランス活躍、HRテクノロジーの普及、日本型雇用慣行の変革(人材版伊藤レポート)等の働き方に関する政策立案に従事。

【情報発信等】

日経COMEMOキーオピニオンリーダとして働き方に関する知見を発信。著書「Q&A 企業における多様な働き方と人事の法務」(新日本法規出版)

2022.12.16

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
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