米シンクタンク「ランド研究所」の非常勤上級研究員であるウィリアム・コートニーは本誌に対して、この撤退のなかで、もしもウクライナ側が大勢のロシア兵(たとえば1000人とか2000人)の身柄を拘束することができれば、それはロシアにとって「政治的に深刻な打撃」となるだろうと語った。

総合的に見て、ヘルソンを失った衝撃は、4月にロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没した時と同じくらいかそれ以上のものになるとみられる。ウクライナ側はミサイル攻撃によってモスクワ(7億5000万ドル相当と推定)を沈没させたと主張したが、ロシア側はこれに対して、沈没の原因は艦内で火災が発生し、弾薬が爆発したためだと主張していた。

コートニーは、ロシアにとってヘルソンからの撤退は、「モスクワ」沈没以来の大きな衝撃だろうと指摘。ロシア政府にとって、ヘルソン喪失の政治的打撃を和らげる方法があるとすればそれは、ウクライナ軍によって大勢のロシア兵の身柄が拘束されるのを防ぐような方法で撤退することだろうと述べた上で、こう続けた。

「それでもロシア側は既に、大失態を犯している。一方的に併合しておきながら、その領土を手放すのだから」

ニューズウィーク日本版 サッカーW杯 日本が優勝する日
2026年6月9日号(6月2日発売)は「日本が優勝する日」特集。

Jリーグ発足後、飛躍的に進化した日本サッカー。W杯の頂点に挑み世界を驚かせる時が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます