<政府を挙げてインバウンド復活目指すタイミングで4倍もの値上げを発表した意図は?>

インドネシアの世界遺産でもあるジャワ島中部ジャワ州マゲラン県にある世界最大の仏教遺跡「ボロブドゥール」への入場料の値上げを巡って閣僚と現地の州知事そして国会、市民までもが対立。とりあえず値上げ方針は撤回されることになった。

事前の調整、根回しを無視した結果といえインドネシア得意の「朝令暮改」がまた表明化した結果となった。

主要閣僚でジョコ・ウィドド大統領も信頼しているとされるルフット・パンジャイタン調整相(海事・投資担当)は6月4日に自身のインスタグラムを通じてボロブドゥール遺跡への観光客の入場料値上げを表明した。

それによると現行のインドネシア人5万ルピア(約350円)から75万ルピア(約5200円)の入場料を値上げするとともに、外国人については25ドル(約3250円)から100ドル(約1万3000円)への値上げを発表した。

一方で学生については現行の25000ルピア(約175円)を5000ルピア(約35円)に値下げし、さらに1日の入場者を1200人に制限する方針も示した。

値上げの理由について同調整相は「修復作業のための経費」をあげたものの、なぜ外国人観光客にだけ高額の入場料を課すのかなど具体的説明はなかった。

インドネシアはコロナ感染防止対策が感染者数の減少に伴い段階的に緩和され、現在は外国からの観光客の入国はほぼ自由となっている。このため政府を挙げて観光業の復活を目指して外国からの観光客の訪問を歓迎しているのが現状だ。

そうしたなかで今回発表されたボロブドゥール遺跡の外国人入場料の大幅な値上げは各方面に大きな波紋を与えた。

国会、州知事が値上げ反対を表明

ルフット・パンジャイタン調整相による突然の値上げ方針に対してはまず、地元のガンジャル・プラノウォ中部ジャワ州知事が反対の狼煙を素早く上げた。同遺跡は国の管轄下ではあるが、運営などは州政府、地元自治体が行っている。

ガンジャル州知事は「ボロブドゥール遺跡の事業運営団体などとの協議を経て決めたいので値上げの延期を求める」とルフット・パンジャイタン調整相に要請した。これを受けて同調整相は7日に「値上げ実施を延期し、当面は値上げしない」として当初の方針を変更した。

世界的観光地のボロブドゥール遺跡