
ロシアの主人公は「ナロード」
そこから育った若い芸術家たちは、ロシアの改革という課題を抱える時代に、ロシアの本質は「民衆(ナロード)」であると考え、真の民衆文化を追求するようになる。トルストイやドストエフスキーの文学はロシアの民衆を裏の主人公としているし、国民楽派と呼ばれる作曲家たちは民謡を吸収し、民衆の声を取り入れようとした。レーピンらの画家グループは民衆に近づこうと移動展を開催し、「移動展派」と呼ばれた。
このように、西欧文化の受容、中世と連続した正教のアイデンティティー、それに民衆崇拝というロシア独自の思想とがツァーリ専制の下で結合し、西欧文化とは異なる「独自性」を有するロシア文化が誕生した。
忘れてならないのが、芸術家たちのロシア愛である。彼らは作品の中で、母なるロシアの大地への愛と誇りを高らかに歌い上げている。
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