本誌の取材に応じた直後、ハイダイはメッセージアプリ「テレグラム」上で、ロシア側が化学工場の硝酸貯蔵タンクを爆撃によって破壊したと発表。危険な化学物質が周辺地域に飛散したと述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5月31日、数多くの化学工場があることを考えると、ロシア軍によるセベロドネツクへの爆撃は「狂気の沙汰」だと非難。攻撃には「無差別」の爆撃も含まれていたと述べた。

ハイダイによれば、セベロドネツクの住民12万人のうち、現在も1万5000人が市内に残っている。だがロシア軍による爆撃で避難させることができない。「昨日も、市民の避難用に派遣した装甲車両がロシア軍による爆撃を受けて避難計画が中止になった」と彼は言う。「車を運転していたのは、物資の輸送や民間人の避難を担当していた警察官だ。車両も、一度も軍事目的で使用したことはない」

リシチャンスクへの退避で有利に

「フランスのジャーナリストも、この車に載っていた。爆弾の破片がフロントガラスを突き破ってジャーナリストの首を直撃し、残念なことに彼は死亡した」

「ルハンスク州の村や居住区が侵略者の手に落ちたことを残念に思う」と、ハイダイは言う。「だが軍事的に考えると、セベロドネツクは戦略的に非常に重要な場所という訳ではない。隣接するリシチャンスクは丘の上なので、ウクライナ軍は大きな地の利を得ることになる」

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