これまで筆者はネタニヤフとアッバスの関係を「互助会」のようなものだとみてきた。両者は対立を装いながらも自らの権力維持のために持ちつ持たれつで、互いを必要とする共依存関係にある。
アッバスは西岸地区とガザ地区に分かれたパレスチナ社会を一枚岩にまとめることはできず、国家建設への歩みを進めることはなかった。そのような都合のいい「穏健派」のアッバスを生かさず殺さず、利用し続けてきたのがネタニヤフでもある。
好ましからざる指導者が退くだけで状況が好転するとは限らない。26年に予定される2つの選挙により、この「互助会体制」が崩壊すれば、政権交代のみならず、社会構造そのものを揺るがし、中東をさらに不安定化させる危険性をはらむ。その時に両社会がどう向き合うか。それが中東の安定、ひいては国際秩序をも左右することになるだろう。
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