また、オールジェンダートイレだけでいいという理由として、男女別にしても、男性が男性を襲う性犯罪を防げないというものがある。しかし、この意見は、原則に例外で反論しているので、議論のルール違反だ。これを認めてしまうと、「その例外にも例外がある」「その例外の例外にも例外がある」といったように、理論が無限に続いてしまい、結論に収斂できない。

男性が女性を襲う性犯罪が圧倒的に多いのは、データが示す事実である以上、これを原則にすべきだ。Polimill株式会社が提供するSNS「Surfvote」の投票結果でも、こうした方向性が支持されている(図2)。

「Surfvote」の投票結果
図2 Surfvote (C) Polimill株式会社

話を海外のトイレに戻そう。写真2は、ゾーニングが確保された韓国のトイレだ。

ゾーニングが確保された韓国のトイレ
写真2 ゾーニングされたトイレ1 出典:『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)

左手前から男性用、女性用、右手前から男性身体障害者用、女性身体障害者用、と4つのゾーンを設けている。このように、利用者の特性に配慮したゾーニングが施されているトイレは、犯罪者が紛れ込みにくい「入りにくい場所」だ。しかも、女性のトイレは奥まったところに配置されている(つまり、入りにくい場所)。

この例のように、男女別の身体障害者用トイレが設置されることもあれば、男女それぞれのトイレの中に障害者用個室が設けられることもある。

例えば、写真3は、そうしたデザインで設計されたチェコのトイレだ。

ゾーニングされたトイレ
写真3 ゾーニングされたトイレ2 筆者撮影

写真でも分かるように、男性用トイレの入り口と女性用トイレの入り口が左右にかなり離れているが、これも「入りにくい場所」を作る工夫である。海外では、このようなデザインが多い。

日本のトイレは「連れ込み」が容易