このように、防犯カメラを設置した地区で犯罪が減ったとしても、それが防犯カメラの影響であると自動的には証明されない。犯罪が減少したのは、その地区の人口が減少したからかもしれないし、景気が回復したからかもしれない。そうした可能性を排除するために、比較対象を設定する必要があるのだ。

さらに、日本の課題として、設置場所の選定の問題がある。例えば、子供の誘拐事件は、基本的に、物色→接触→連れ去りという3つの段階から成る。そのため、公園や道路に防犯カメラを設置するときには、こうした「犯罪者動線シミュレーション」を経て、誘拐犯が最も嫌がるような「場所と方角」を決めることが求められる。

そうした作業なしには、防犯カメラは効果を発揮できず、単なる捜査カメラに成り下がってしまうのだ。なお、犯罪機会論に基づく「犯罪者動線シミュレーション」については、次のページの動画をご覧いただきたい。

カメラの効果を左右する「場所と方角」