宗教団体というより「政商」
だからこそ、統一教に関わる問題は韓国では宗教的な部分よりも、経済活動が注目される。統一教による金への接近も事業を韓国政府のODA事業に編入させ支援を受けるためのものだったとされている。統一教のビジネスの特徴は、時の政府と密接な関係を利用して、有利に物事を進めようとする点にある。民主化以後の韓国では保守派と進歩派の政権交代があり、統一教は進歩派が政権を握っているときには躊躇なくこれに接近し、政権側が望むなら年来の「反共」の主張をかなぐり捨て、北朝鮮に接近することすらいとわなかった。その姿は宗教団体というより「政商」に近い。
統一教は歴代の韓国政府との密接な関係を基に、政府自らが担えない「汚れ役」を引き受け、見返りとしての経済的利益を享受し、成長を続けてきた。その意味では、冷戦期から今日までの韓国社会が生み出してきた「鬼子」的存在だったと言える。民主化から38年たった今、この特異な政商的宗教団体は、ようやくその歴史的役割を終えつつあるのかもしれない。
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