海氷が減り続ければ、いずれ維持限界に達する可能性も

「海氷が大幅に消失している時期に身体コンディションが向上したことは驚きだった」とアールス氏は英大衆紙デーリー・メール(1月30日付)に打ち明けている。「極地研究所で研究を始めた頃は、ホッキョクグマはおそらく痩せ細っていくだろうと考えていた」という。

「しかし実際には逆のことが起きている。ホッキョクグマたちは海氷の上でアザラシを狩る能力を失い、陸上で過ごす時間がはるかに増えているにもかかわらず、より良いコンディションにある」

「通常、状況が悪化し、食べ物へのアクセスが減れば、まず痩せて脂肪を蓄えられなくなる。これがさらに深刻化する前に見られる現象であり、その後に生存率や繁殖率が大幅に低下する」とアールス氏は解説している。

急激な地球温暖化でエコシステムにも大きな変化が起き始めている。幸いなことにスバールバル諸島のホッキョクグマは高い適応力を示しているが、将来的な海氷のさらなる喪失により、いずれ維持することが限界に達する可能性があるとアールス氏は警鐘を鳴らしている。

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