<これまで資産の継承は実業を中心に行われてきたが、それとは大きく異なる子女の活動が目立つように。日本経済にとってこの変化は良いことか、それとも......>

このところ、巨額の資産を保有する資産家の子女が資本市場で注目されるケースが増えている。これまでもオーナー企業の創業者が子女に会社を託すケースは多かったが、あくまで実業の継承を基本としていた。

だが近年は、市場に株式を上場したことによる巨額資産を背景に、子女が実業家としてではなく投資家として振る舞うという点が大きく異なっている。

昨年末、山形県のバイオ繊維開発ベンチャー企業「スパイバー」が発表したプレスリリースが証券業界で話題を呼んだ。同社は先端的なバイオ繊維を開発している新興企業だが、同社と事業支援契約を締結した企業のトップは川名麻耶氏という女性だった。

実は川名氏は誰もが知る世界的実業家・孫正義氏の長女である。リリース文中には、川名氏の経歴とともに「孫正義の長女として誕生」という、本来であれば必要のない事項についても記載されており、あえて孫氏の娘であることを市場に知らせたいとの意図が見え隠れする。

川名氏は慶應義塾大学を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。その後、2019年にブランド・コンサルティングと投資を手掛けるBOLD社を設立し代表に就任した。

スパイバーに対する具体的な支援内容は明らかになっていないものの、川名氏が孫氏の娘であることに加え、BOLD社の事業内容に投資が含まれていることを考えると、何らかの出資、あるいは関連した支援が検討されている可能性が高い。

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