しかし、ここまで次から次へと伝染してくようであるなら、ここで食い止めなければなるまい。

人民日報は習近平の「歴史決議」をシリーズで連載解説している

今年11月8日から11日にかけて、北京で第十九回党大会「六中全会」(中国共産党中央委員会第六回全体会議)が開催され、「歴史決議」が採択された。習近平による「歴史決議」だ。

11月17日に人民日報が公開した全文を見ると3.62万字もあるので、習近平「歴史決議」の神髄を広く人民に知らせるために、人民日報は12月8日から24日に至るまで、この要旨に関して解説するシリーズを連載し始めたのである。

第1回目(12月8日)は<意識形態業務の主導権をしっかり掌握せよ>で、タイトルの後に括弧書きで「第19回党大会六中全会の精神を深く学習し貫徹しよう」という言葉がある。これは、「さあ、これから六中全会で採択された習近平による歴史決議を紹介するので、皆さん良く学び実行しましょうね」という、連載物の宣伝と声掛けでもある。

第2回目(12月9日)は<改革開放は党の偉大なる覚醒の一つだ>というタイトルで、このタイトルは、2018年12月18日に習近平自身が言った言葉である。中国語では「改革開放是我們党的一次偉大覚醒」で、その簡体字を習近平のスピーチの中で確認することができる。それを歴史決議の中に盛り込んだものである。

したがって、第2回目は習近平の改革開放に対する位置づけと視点が主軸となっているので、「習近平」という名前が出てくるはずもないのである。 

以下、第3回(12月10日)第4回(12月13日)・・・と続くが、すべて説明するのは大変なので、連載のタイトルや日時とともに、これまでの国家指導者の名前が出てくる回数を計算した一覧表を作成したので、それをご覧いただきたい。

人民日報に連載された「歴史決議」の解説シリーズ一覧表
タイトルと日付および国家指導者の名前の出現回数

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人民日報の記事を基に筆者作成

シリーズはこの後も続くかもしれないが、先ずは12月24日までの解説から名前の出現回数を拾ってお示しした。

この一覧表をご覧になれば一目瞭然。

全体の合計から言えば「習近平」という名前の出現回数は「127回」と圧倒的に多い。

第2回目の時だけ習近平の名前がない。

これは習近平が位置付けた改革開放の解釈なので、ここに「習近平」という名前があるはずがないのである。

大紀元がそれをうまく拾って書いた嫌中記事をコピペして少し膨らませ、原典を調べもせずに煽り記事を書く姿勢には、実に失望してしまう。

このような虚偽の事実の拡散は、日本国民に利益をもたらさない。

本稿はそれを防ぐために書いたものなので、ご理解いただければ幸いである。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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51-Acj5FPaL.jpg[執筆者]遠藤 誉

中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史  習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
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