北米地域のディア・アンド・カンパニー系列ディーラーとしては最大規模の株式非公開企業アグ・プロでは、オハイオ州のスタッフが、2004年当時のGPSユニットを「発掘」している。今まではガラクタ同然だった装置である。

だが農家が農場内のデジタル収穫マップを記録する目的なら、まだこの装置は使いものになる。銀行や地主、作物保険の代理店と交渉するために、多くの農家はこうしたデータを必要としている。

どこにパーツを回すのか

農機メーカーは、今年の収穫期を前にして辛い選択を迫られている。農家に販売する新品のトラクターやコンバインを製造するために工場にパーツを回すべきか、それとも既存顧客の故障した農機を修理するために農場にパーツを回すべきか。

AGCOや競合するCNHインダストリアルNV が選んだ答えは後者だった。

「現場の顧客を支えないわけにはいかない」とAGCOのトゥーンマン氏は言う。「収穫期が来たら、何より大切なのはタイミングだから」

CNHの試算によれば、輸送費の高騰から原材料価格の上昇に至るまで、供給網の制約によって同社が被ったコスト増加は10億ドルにも達するという。

こうした制約のせいで、CNHでは一部工場の駐車場を倉庫スペースに転用せざるをえなくなった。ネブラスカ州グランドアイランドにあるCNHのコンバイン工場では、未完成のコンバインが数百台、パーツの到着待ちで屋外に並んでいる。

一方、CNHの広報担当者によれば、同社は傘下の「ケースIH」「ニューホランド」ブランドの農機に使える部品を現場の顧客に回しているという。

ディア・アンド・カンパニーでは、より多くの製品を出荷できるよう輸送用コンテナの見直しを進めており、港湾での船舶からの荷下ろしを迅速化するためクレーンのリースを増やし、輸送用トラックの台数も増やしているという。

だが、ディアでアフターサービス・顧客サポート担当シニアバイスプレジデントを務めるルーク・ガクスタッター氏によれば、部品不足は「ただでさえ収穫の時期が限定されている農家にとって、特に面倒な問題になっている」という。

一部のケースでは、ディアは農機を未完成のまま顧客に納入した。ミズーリ州の農家アンディ・カップさんの新品のコンバインは、高性能カメラを一部搭載しないまま工場から出荷された。そのカメラがもたらす高効率ゆえに数十万ドルも投じたにもかかわらず、だ。

それでもカップさんはその新型コンバインを使っている。故障に備えて予備の部品もよけいに用意してあるほどだ。

「収穫期が終わりに近づけば、機械も人もくたびれてくる」とカップさん。「まだ馴染んでいない機械だ。いくつか緩んだボルトがあっても驚かない」

(P.J. Huffstutter記者、Mark Weinraub記者、翻訳:エァクレーレン)


[ロイター]
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