お店のパートとは違い、公務員となると非正規も労働時間が長い。専門的な業務も多く、無給の残業をしている非正規雇用者も多いだろう。それにもかかわらず年間所得は200万円、地域によっては150万円にも達しない。ブラック労働撲滅の旗振りをする「官」の世界でこのような現状とは、開いた口がふさがらない。役所の非正規職員は、今は会計年度任用職員という呼称で、ボーナスが支給されるなど待遇改善も進んでいるが、まだまだ不十分であることは政府も認めている。

ちなみに、図書館司書・学芸員の非正規率は高い。<図1>は性別と従業地位で分割した組成図だが、非正規が全体の55%を占める。ジェンダーの問題も絡んでいて、生涯学習の現場は(安い)女性非正規で支えられていることが分かる。

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少子高齢化が進む中、柔軟な働き方を否定するものではない。ワークシェアリングを進め、一人あたりの勤務時間を減らすのも悪くないが、普通の生活ができる給与が得られるという条件つきだ。「正規・非正規」という日本独特の区分は廃止し、職務内容や労働時間に応じて給与が決まる制度に変える時期に来ている。目下、それと最も隔たっているのが「官」の世界であるとは皮肉なことだ。

改革が必要なのはデータでも明らかだ。

<資料:総務省『就業構造基本調査』(2017年)

    総務省『国勢調査』(2015年)

【図表】都道府県別、非正規公務員の所得中央値
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