8月半ば、アハマドさん(43歳)に甥のジアさんから緊急の電話が入った。今すぐカブール空港に来て、何とか国外退避用の飛行機に乗れるよう試みて──。

その頃、アフガニスタン駐留米軍に協力していたジアさんを探そうと、イスラム主義組織タリバンのメンバーが、首都カブールにあるアハマドさん宅を訪れていた。アハマドさんのことも狙っている。警察に行くために外出中だったアハマドさんに、ジアさんはそう告げた。

甥のジアさんが米軍に関与していたため、自分も捕らえられたり処刑されたりするかもしれない。そう恐れたアハマドさんは妻と6人の子どもを連れて空港に向かったが、入り口で群衆にもまれるうちに家族と離れ離れになったという。

アハマドさんは担当者に、携帯電話にあった甥のグリーンカード(米国の永住資格証明書)の写真を見せ、自分は彼の家族だと話した。それだけで米同盟国のカタールに向かう飛行機に――1人で――乗ることが認められた。

大急ぎで国を脱出した何万人ものアフガン国民は今、カタールやドイツ、イタリアの米軍基地など、第3国の「トランジット拠点」で待機している。

身元証明の書類を持たない者、米国のビザ(査証)申請を済ませていない者、家族が複数の移民ステータスを持つ者なども含まれ、最終的に米国にたどりつくためには、煩雑な移民審査を乗り越える必要がある。

通訳を通じて電話取材に応じたアハマドさんは、国で身を隠している妻と5人の娘、2歳の息子について「残してきてしまったことが苦しくてたまらない」と語った。

米統合参謀本部のマーク・ミリー議長は1日、避難者の数について、欧州と中東の9カ国に約4万3000人、米国の軍事基地8カ所に約2万人いると説明した。

アハメドさんによると、カタールの米軍基地では避難者が食べ物をもらうために何時間も行列に並んでいる。到着時から着たきりの服は、気温38度の熱射の中であっという間に汗まみれになってしまった。

米国の永住資格を持つ甥のジアさんは、カタールで2週間待機した後、妻と5人の子どもと共にシアトルに飛ぶことができた。アハメドさんともう1人の甥は、アフガン国籍の証明書しか持たないため、カタールにとどまっている。

政府の目が届かない避難者も