習近平と陳全国

そればかりではない。

2017年10月に開催された第19回党大会で、習近平は陳全国を中共中央政治局委員に抜擢したのだ。政治局委員までなら、地方における他の職位に就きながら中共中央の業務にも同時に従事することができる。

したがって陳全国は新疆ウイグル自治区の書記を務めながら、中共中央政治局委員の仕事も同時にしていることになる。

陳全国が生まれたのは、中国政府および中国共産党側の公式情報では1955年11月。それが正しいとすれば、現在65歳。

となると、もし2022年に開催される第20回党大会で中共中央政治局常務委員会委員(チャイナ・セブン)に昇進するとした場合、66歳ということになり、年齢的にはセーフだ。

というのは常務委員会委員には、一応これまで「七上八下」という原則があり、党大会の時に67歳あるいはそれ以下ならば「上に上がることができる(常務委員になれる)」が68歳だったら「下がるしかない(常務委員になれない)」ということになっているからだ。党大会が11月に開催されたとしても、ギリギリ67歳手前で第20回党大会を迎えることになろう。

陳全国はチベットとウイグルという、中国共産党の統治にとっては最も手腕が試される地区で書記として功績を上げたとなると、中共中央政治局常務委員になる確率がグッと高くなる。

つまり来年の党大会で、陳全国はチャイナ・セブンになる可能性が大きいのである。

日本にとっては「踏み絵」のような陳全国

4月11日のコラム<ウイグル人権問題、中国に牛耳られる国連>に書いたように、日本では、そもそもウイグル人権問題に対して中国に制裁を科すか否かに関してさえ意思表明されてないが、明日16日には菅総理はバイデン大統領と対面で会談することになっている。

バイデンはウイグル人権問題に対する西側諸国の制裁に日本が足並みをそろえるよう求めて来るだろうが、日本が果たしてバイデンの意に沿う回答を出すか否かが注目される。

仮に制裁を科すという決断を迫られた場合、日本が果たして「制裁対象に陳全国を入れるか否か」が、次の段階として試される「踏み絵」となる。

これによって本気度が測れるのである。

もし陳全国を制裁対象に入れるなら、2022年の党大会が始まる前でなければ、ハードルはもっと高くなるだろう。

少数民族は習近平のアキレス腱