誰かの話に耳を傾けることは、自分が注意を払う対象を選び、そこに意味を与えるメンタルプロセスであり、スキルだ。相手の話を正しく理解するためにも、「聞く」のではなく、「聴く」ことがとても重要だ。

同時に、相手がどのように聞いているかに気付くことも大切だ。ある会議に500人が参加したら、そこで発表されたことは500通りに解釈されている。誰もが知らず知らずのうちに選択的な聞き方をしているからだ。人はそれぞれ自分のフィルターを通して話を聞き、それぞれ異なる意味を与える。

オーディエンスが1人であれ1000人であれ、相手の聞き方に注意を払えば、独り善がりのプレゼンをして完全に的を外す事態は避けられる。肝心なのはオーディエンスに注目すること、相手の情報を集めることだ。

とはいえ、ズームなどのデジタル・プラットフォームでそれをやるのは一段と難しい。オンライン会議では、同僚や顧客の顔だけでなく、自分の姿も目に入るから余計に厄介だ。チャットやメールなど、退屈なプレゼンから逃げ出す先もたくさんある。小さな子供やペットやパートナーがいたら、ますます会議に集中するのは難しくなる。

だから、少なくとも気が散らない工夫をしよう。部屋のドアを閉め、スマートフォンは別の部屋に置き、犬はケージに入れておく。子供やパートナーには「会議中、邪魔するべからず」と貼り紙をする。そうやってオンライン会議に全身全霊を傾けよう。

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