これとは対照的に、中国との経済的な「デカップリング(切り離し)」をはじめとするアメリカの戦略は、成功の見込みが薄い。アメリカの主要テクノロジーに対する中国のアクセスを制限すれば、短期的にはある程度の効果があるかもしれないが、中国の発展を大幅に減速させることはないだろう。中国が今後10年間に展開する人的・財政的資源の規模を考えれば、アメリカの関与があろうとなかろうと、技術部門の多くを支配するのはほぼ確実だ。

結論ははっきりしている。アメリカの次期政権は、中国の経済・技術面での台頭を受け入れるべきだ。中国に追い抜かれるなど考えただけで腹立たしいことかもしれないが、現実的にみて10年以内にそうなる可能性は高い。

それを食い止めようと努力するのは無駄なだけでなく、極めて高い代償を伴うことになりかねない。

©Project Syndicate

<2020年11月17日号掲載>

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