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香港の民主活動家の黄之鋒も「#BoycottMulan」と抗議の意志を表明した。The Sun / YouTube

香港デモ、ウイグル族強制労働などで炎上

映画『ムーラン』は、公開をめぐる問題だけではなく、これまでにも決定当時から様々な論争に巻き込まれてきた。

まず、昨年8月、ムーラン役の主演女優リウ・イーフェイが自身のSNSウェイボーにて、「私は香港警察を支持します。批判されても構いません」と、香港で市民デモ隊を鎮圧した警察を支持する発言をして多くの反感を買った。アジア圏では香港を中心に映画をボイコットしようという意味の「#BoycottMulan」というハッシュタグがSNSで多く見かけられるようになった。

さらに今月に入り、映画の一部シーンの撮影地に批判が集中している。なんと、『ムーラン』はここ数年でウイグル族が100万人も強制収容されていた場所で撮影されたことが判明したのだ。

クレジットにも「Special Thanks」として中国の新疆ウイグル自治区政府機関が載っている。Twitterでは、米共和党のマイク・ギャラハー下院議員をはじめ多くの人がこのクレジット画面のスクリーンショットを批判文とともに投稿している。

肝心の中国での評判は?

ディズニーが約2億ドルも投じてこの映画を作りたかった背景には、中国市場進出の狙いもあっただろう。中国には外国映画の公開数を制限するスクリーンクォータ制度があるため、中国人キャストで中国を舞台にした『ムーラン』の大規模な中国での公開に期待を寄せていたに違いない。

アメリカや日本では劇場公開を見合わせたが、中国(9月11日)や韓国(9月17日)では劇場公開されることとなった。ところが、ディズニーが期待する当の中国での前評判はというと、これまたあまり芳しくない様子だ。

ハリウッドがアジアを舞台に映画を撮影するとよくあることだが、スタッフに中国文化を理解している担当者が参加しておらず、おかしなアジアテイストの描写が多いと、一部の中国サイトでは批判が集まっている。日本や韓国といった他のアジア文化と中国文化が一緒くたに扱われているという。

また、ネットでの反応を見て見ると、アニメ版のときの良さが引き出せておらず、「よくある中国の武侠映画みたいでつまらない」という意見も多い。

ワールドプレミアでも騒動が