安倍晋三首相は14日、新型コロナウイルス対策の特別措置法が前日に成立したことを受けて会見し、同法で可能になった緊急事態宣言をする状況にはないとの認識を明らかにした。また、不透明感が強まっている東京五輪は予定通りに開催したい、と改めて強調した。

安倍首相は、日本の感染者は人口1万人当たり0.06人と説明した上で、中国や韓国のほか、イタリアなど欧州13カ国、イランなど中東3カ国よりも低い水準にあると指摘。「現時点で緊急事態を宣言する状況ではないと判断している」と語った。

一方で、「高い緊張感を持って事態の推移を注視し、必要であれば手続きにのっとって法律上の措置を実行する」と述べた。緊急事態の宣言は国民の私権の制限につながることから、専門家の意見を聞き、自身で会見して説明する考えを明らかにした。

また、安倍首相は新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が混乱し、経済が大きく落ち込むことが予想されるとして、大規模な対策を打ち出す方針も示した。まずは感染の拡大防止に注力した上で、経済再生に向け「一気呵成(かせい)に、これまでにない発想で思い切った措置を講じる」と語った。

消費税率の引き下げなどを盛り込んだ自民党の若手議員らによる提言にも言及し、「さまざまな可能性を想定しながら、必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れずに講じたい」と述べた。

7月から始まる東京五輪・パラリンピックについては「今後ともIOC(国際オリンピック委員会)と連携しながら、この感染拡大を乗り越え、無事予定どおり開催したい」と語った。

安倍首相は、3月26日に福島県で予定されている聖火リレーのスタートにも立ち会う考えを示した。

(久保信博)

[ロイター]
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