米ホワイトハウスは、トランプ大統領が野党・民主党主導の弾劾調査への協力を拒否すると表明した。根本的に不公正で、トランプ氏の法的権利を侵害していることを理由に挙げている。

ホワイトハウス法律顧問のパット・シポローネ氏は下院民主党指導部に宛てた書簡で、トランプ氏の弁護士にも証人の調査や証拠へのアクセスを認めるべきだなどと提言した。

法律専門家の話では、弾劾は訴訟ではなく、あくまで政治的な手続きなので、下院が調査の基本原則を定める幅広い権限を持つ。ただ、トランプ氏の弁護士が何らかの形で関与できるようにすれば、世論の支持を獲得し、弾劾調査が外形的により公正になるだろうという。

以下にトランプ氏の立場や、過去の弾劾手続きの経緯を示すとともに、現在の調査が本当にトランプ氏の憲法上の権利を損なっているかどうかを検討した。

トランプ氏は何を望んでいるか

シポローネ氏は下院の弾劾調査について、憲法上の観点と過去の弾劾との公平性という観点でトランプ氏に最も基本的な身を守る権利さえも許していないと批判した。

トランプ氏には、証拠へのアクセスや証人の調査、公聴会に自身の弁護士を出席させるといった権利が与えられるべきで、各委員会はトランプ氏に有利な証拠も開示する義務がある、というのがシポローネ氏の主張だ。また共和党の議員が召喚状を発行してトランプ氏を弁護するための証拠を集め、民主党側に反論することも認めなければならないという。

ホワイトハウスは、下院本会議で弾劾調査が可決されていない点からも調査は違法だと指摘した。一部共和党議員もこうした意見を繰り返し表明している。

下院民主党指導部はシポローネ氏の書簡に今のところ反応していない。ただ複数の幹部はこの書簡を、苦し紛れの行動で、弾劾調査を阻止するものではないと切り捨てた。

過去の弾劾で何が起きたか

ビル・クリントン氏とリチャード・ニクソン氏に対する弾劾では、ホワイトハウスが求めた法的保護の一部が与えられた。

例えばニクソン氏の弁護士は弾劾調査中に証拠への反論や証言が許された。ただニクソン氏は1974年、弾劾が成立する前に辞任している。

その25年後のクリントン氏にも同様の権利が認められた。クリントン氏は下院で弾劾が承認されたが、上院が否決した。

いずれのケースでも下院は本会議で弾劾調査を可決した。2人以外で弾劾の対象となったのは1868年のアンドルー・ジャクソン氏のみで、この時はそうした投票は実施されていない。

トランプへの弾劾は違憲か?