ハベックを「ドイツのケネディ」と呼ぶ声もあるが、もっとふさわしい例えはフランスのマクロン大統領だ。ハベックもマクロンと同じく熱狂的な支持を集め、既成政党が埋められなかったイデオロギー上の空白を埋めてきた。2人は細かな部分で違いはあるものの、EUの統合強化や多国間主義、移民問題、温暖化などについて同様の見解を持っている。

政権を握った場合、緑の党は無難な政策を導入して以前からの支持者に見放されるのか、それとも改革を進めようとして世論の反発を浴びるのか。成功するかどうかのカギは連立を組む相手が握っている。左派系の同盟をつくるか、中道右派のCDU・CSUと組むかを選ばなくてはならない。

その選択は緑の党だけではなく、連立を組む相手と緑の党の支持者によって決まる。次期首相がハベックになるのは、ほぼ確実かもしれない。ここまでは予測がつく。しかし緑の党がどの党と連立を組むのか、ハベック政権下でドイツ国民が何を望むのかは、まだ分からない。

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<本誌2019年7月23日号掲載>

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