[トリノ 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)が現地調達ルールを導入する見通しになったことを受け、中国の自動車メーカーが欧州の生産拠点となる場所を探している。中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)の欧州担当アドバイザー、アルフレド・アルタビラ氏は、各社は工場をゼロから建設するよりも、はるかに迅速に生産を立ち上げることができる既存の自動車組立工場の視察に全力を挙げていることを明らかにした。

EU欧州委員会は域内の工業部品・製品を優遇する「メード・イン・ヨーロッパ」政策の策定を進めており、その中で域内販売するEVに対して現地調達率の最低基準を定める。早ければ来年にも導入される見通しだ。BYDは現地生産を加速させるために既存工場を買収し、所有権を完全に取得した上で改修することを目指している。

アルタビラ氏は、イタリア・トリノでのBYDの高級車ブランド「デンツァ(騰勢)」のディーラー開業式典でロイターの取材に応じた。同氏によると、BYDはハンガリーに開設した欧州初の乗用車工場で生産の初期段階にあり、年内に欧州で2番目の工場を選定する見通し。

BYDがEUの規制を満たしながら成長を遂げるには、欧州で将来的に「三つの組立工場と一つのバッテリー工場」が必要になると説明した。

BYDにとってスペインとフランスの両国が「明らかにシンプルな状況にある」ため、BYDの生産拠点として「最も実現可能性の高い」選択肢だと解説。最優先の考慮事項は、改修にどれほどの費用がかかるかという点だと話す。

両国以外も引き続き検討対象としているものの、イタリアについては欧州自動車大手ステランティスが工場の売却に消極的なため「次善の策」となっているとして「売りに出されていないものを買うことはできない」と語った。

アルタビラ氏は「今買収できる物件を見つけ、比較的少ない費用で(中略)迅速に改修しなければならない」と強調。「私は欧州全土の工場を視察し続けている」とし、式典後には「英国の工場を視察するため」夜遅くの便に乗り込むことを明らかにした。

「当社には非常に大規模なチームがあり、検討中のあらゆる施設について実現可能性調査を続けている」とし、競合他社も同じような作業を進めていると指摘。競合他社と「空港で互いに顔を合わせる」という。

中国メーカーは既に、欧州にある稼働率が低い自動車工場の生産ラインを共同利用する提携に乗り出している。零跑汽車(​リープモーター)はスペインで、東風汽車はフランスでそれぞれステランティスと組み、吉利汽車はスペインで米フォード・モーターと提携している。奇瑞汽車(チェリー・オートモービル)は現地企業と協業し、スペインの日産自動車が保有していた工場を買い取った。

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