Ashwin Manikandan
[ムンバイ 4日 ロイター] - ネパールで先週発生した大規模な洪水により、企業向け保険の損失額が200億ネパールルピー(1億3230万ドル)を超える可能性がある。同国の大手保険会社幹部によると、保険金請求の大半は水力発電事業に関連する見通しだ。
保険金が支払われれば、発電所の運営会社が被った損失が補償される。生命保険、傷害保険、労災補償の請求は別途発生する見込み。
被災地域にはネパールの水力発電事業11件がある。一部は一般的な企業向け保険で補償され、現在も損害査定が続いている。オリエンタル・インシュアランス・カンパニー・ネパールのトトン・チャクラボルティ最高経営責任者(CEO)がロイターに明らかにした。
チャクラボルティ氏は「被災した河川流域沿いの水力発電事業が最も大きな損害を受けた。多くの事業で、アクセス道路や地上設備が流失した」と述べた。
ネパール保険庁のデータによると、8月31日時点で洪水関連の保険金請求は583件、総額258億7000万ネパールルピー(1億7113万ドル)に達した。
チャクラボルティ氏は、この数字は主に保険の対象となり得る損失額を示したもので、最終的な保険金請求額は詳細な調査が完了するまで確定しないと説明した。一部の保険契約では、商業運転の延期に伴う事業者の逸失収益も補償されるため、修復作業で稼働開始が遅れれば、請求額はさらに増える可能性があるという。
<ヒマラヤのリスクを警戒する再保険会社>
保険業界幹部は、今回の洪水がヒマラヤ地域のインフラを対象とする保険に長期的な影響を及ぼす可能性があると指摘した。
国際保険仲介大手エーオンでアジアの電力部門を統括するベンジャミン・ウン氏は「南アジアで最近発生した山岳洪水を受け、保険会社は水力発電やインフラのリスク、特に危険にさらされやすい地域について、さらに見直しを進める可能性がある」と述べた。
同氏によると、保険会社は補償対象外とする項目を増やし、補償限度額を引き下げ、補償範囲を狭める可能性がある。その結果、保険料が上昇し、引き受け審査も一段と厳しくなる見通しだ。
インド国営再保険会社GICリのサンジャイ・モカシ最高引受責任者は、今回の洪水を受け、リスクの集中や氷河湖決壊洪水へのエクスポージャーに対する業界の見方が変わる可能性があると述べた。