Takahiko Wada
[札幌 2日 ロイター] - 日銀の高田創審議委員は2日、札幌市金融経済懇談会であいさつし、「機動的な利上げが必要な新たな局面」に入ったとの認識を示した。従来の緩和的な政策の効果に世界的な人工知能(AI)投資が重なることで、世界的に「利上げへの転換が早くなる可能性がある」と指摘。日本でも物価が予想以上に上振れするリスクがあり、「市場で考えられている一定の利上げの間隔や幅にとらわれるのではなく、海外環境に加え国内での金融環境に関する緩和度合いを確認した上で機動的に対応していく必要がある」と語った。
高田委員は政策委員の中で最もタカ派に属する。日銀は6月に利上げしたが、7月の金融政策決定会合でも利上げを提案した。
高田委員は、従来の基調的な物価上昇率の上昇を促してきたスタンスから一転し、「物価の上振れを防ぐ日銀の意思を市場に示し、為替市場を通じた影響にも配慮する必要が生じる」と話した。
物価の二次的波及に備えて「事前に中立金利に近づける必要がある」とも指摘。中立金利の具体的な水準には言及しなかったが、海外中銀も日銀も利上げに向かう中で「海外金利の上昇によっては、中立金利は市場が見込んでいた水準から上振れる可能性もある」とした。
物価目標は「おおむね達成している」と改めて述べた上で、中東情勢を受けた物価上昇圧力が加わることで「物価目標を上振れるリスクが生じる」とし、政府による「拡張的な政策への希求」や賃上げ促進、企業による価格転嫁の定着への取り組みも「物価が上振れてしまうリスクを内包する」とした。
長期金利は1日に30年ぶりに3%台に上昇した。高田委員は、日銀が国債買い入れを段階的に減らすことで、過去対比で「有数の市中への大量国債供給局面が生じている」とし、市場動向を「しっかり見ていく必要がある」と述べた。発行当局との緊密な連携の必要性にも言及した。