同社のライバルであるフィンランドのノキアも中国に投資。5G移行に関して、中国の3大通信会社と20億ユーロを超える契約をまとめている。

アメリカの反ファーウェイの動きが、中国でのエリクソンの地位を脅かす可能性もある。「どんな影響があるか分からない」と、エクホルムは言う。

中国は別の形でも、欧米企業に報復するかもしれない。アメリカの検察がカナダに、ファーウェイの孟晩舟(モン・ワンチョウ)CFO(最高財務責任者)の引き渡しを求めるなか、中国がさらに多くの欧米人ビジネスマンを拘束するのではないかと心配する声もある。既に複数のカナダ人が中国で拘束されている。

しかし長い目で見れば、この騒ぎもファーウェイにとっては大したことではないのかもしれない。5Gネットワークの利益がリスクをはるかに上回る途上国にとっては、ファーウェイのスパイ疑惑など妨げにもならないのではないかと、アメリカは懸念している。

「安価または無料で5Gネットワークをつくってやると言われたら、小さな貧しい国はスパイ行為など気にしない」と、米ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所のジェームズ・A・ルイスは言う。

結果的にファーウェイは、世界の5Gネットワーク機器市場で3分の2のシェアを占めることになるかもしれない――ルイスはそう推測している。

From Foreign Policy Magazine

<2019年3月26日号掲載>

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※この記事は本誌「5Gの世界」特集より。詳しくは本誌をご覧ください。
華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)がアメリカから追放されて、得をするのはどの企業なのか。5G(第5世代移動通信システム)を製造するファーウェイは中国政府の補助金の助けもあり、世界市場の28%を占めている。
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