Nolan D. McCaskill

[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米大統領が南部サウスカロライナ州選出の連邦上院議員後継として推すダーリン・グラム氏に対し、州内共和党員や党内ライバルから予想外の反発が広がっている。共和党予備選は混戦もようで、同州に対するトランプ大統領の政治影響力が改めて試される構図となりつつある。

長年にわたって同州選出上院議員を務めたリンゼー・グラム氏は7月11日に心臓疾患のため71歳で死去。マクマスター州知事(共和党)は後任として妹のダーリン・グラム氏を任命し、来年1月まで残る任期を引き継がせた。

トランプ氏はこの人事を「素晴らしい追悼だ」と評価し、8月11日に行われる特別選挙でグラム氏を支持するよう有権者に呼びかけるとともに「完全かつ全面的な支持」を与えると表明している。

ただ一部共和党員は、ダーリン氏が暫定的に議席を引き継ぐことには理解を示しながらも、新たな6年の任期まで託すことには難色を示す。トランプ氏の支持表明後も候補者の乱立が続いており、有権者が幅広い選択肢から選ぶべきだとの声が出ている。

州知事選で敗れた共和党のナンシー・メイス連邦下院議員は、州内の保守層がトランプ氏の推薦に不満を抱いていると指摘。ラルフ・ノーマン下院議員を支持するメイス氏は「大統領が支持した候補は知事選で敗れた。今回の上院選でも敗れるだろう。トランプ氏の支持は決選投票進出には役立つが、勝利を保証するものではない」と語った。

予備選で過半数を獲得する候補がいなかった場合、上位2人による決選投票が8月25日に実施される。

共和党内では、トランプ氏やティム・スコット上院議員ら州内有力政治家がダーリン氏を支持しており、世論調査でも首位を維持している。

しかし共和党系の献金者らは、ダーリン氏が兄の死去による喪中を理由にメディア対応を控え、知名度の高いグラム姓に頼っていると批判している。また就任後すぐにフルネームの「ダーリン・グラム・ノルドーン」を使用しなくなったことや、公職経験がない点を問題視する声もある。

ダーリン氏はFOXニュースのショーン・ハニティ氏の番組で「政治家になることは自分の望みではなかった。それはリンゼーの人生であって私の人生ではなかった。しかし要請を受けた時、すぐに引き受ける決意をした。兄の遺志を引き継がなければならないと思った」と語った。

サウスカロライナ選出上院議員の共和党候補指名争いには少なくとも9人が立候補している。連邦下院議員2人のほか、元州知事や実業家らが名乗りを上げており、さらに1人が立候補資格を巡って異議申し立てを行っている。

リンゼー・グラム氏の元側近は、各候補が互いに激しく批判を展開し、決選投票でダーリン氏に対抗する有力候補の座を争うとの見方を示した。

この元側近は「ワシントンとサウスカロライナ州での葬儀準備と同時に、民間人だったダーリン氏を上院議員へと移行させる必要があった」と述べ、低調な選挙活動との批判を否定。「有権者は彼女をより知れば高く評価するだろう」と語った。

一方、前回の上院予備選に出馬した共和党非主流派候補のマーク・リンチ氏はダーリン氏について、政治実績がないため州を代表する資格に疑問を抱かれていると主張した。リンチ氏やメイス氏らは、直近3回の州全体の共和党予備選のうち少なくとも2回で投票していることを候補者の条件とする州党規則を挙げ、ダーリン氏の立候補資格にも疑問を呈している。

リンチ氏は「ダーリン・グラム氏の戴冠式のような扱いに、有権者は怒っている。来年1月までの暫定上院議員に選ばれたことは構わないが、出馬は別問題だ」と語った。

最近の世論調査ではダーリン氏が2桁のリードを保っているものの、ノーマン下院議員、ラッセル・フライ下院議員、マーク・サンフォード元州知事らが決選投票進出を争っている。ノーマン氏陣営は、長年の保守派議員としての実績を理由に、ダーリン氏との決選投票になれば勝利できるとの見方を示す。

フライ氏はトランプ氏に近い有力政治家。フライ氏陣営の選挙コンサルタントは41歳の同氏について「世代交代を象徴する候補であり、上院に新風を吹き込める存在だ」とアピールした。

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