Anirban Sen Manya Saini
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 元オープンAI研究者のレオポルド・アシェンブレナー氏が運営する人工知能(AI)特化型ヘッジファンド「シチュエーショナル・アウェアネス」の運用資産価値は、AI関連株の急落によって7月に67%下落した。ロイターが7月30日付の投資家向け書簡を確認して分かった。
関係者の話では、同ファンドは7月最終週に保有株式の大半を米著名投資家ケン・グリフィン氏率いるシタデルに売却し、上場株式ポートフォリオの大部分を処分した。
アシェンブレナー氏は投資家向け書簡で「受け入れられる範囲を超えて恒久的な資本毀損(きそん)に近づいた。最終的に解決策を見出したが、そのような状況に陥ることは本来想定していなかった」と述べた。
さらに「今月は皆様の期待を裏切った」と謝罪した一方で、年初来の運用成績は依然として80%のプラスを維持していると付け加えた。
株価が大幅に下落したにもかかわらず、投資先企業の事業環境は改善を続けているとして「ポートフォリオに対して非常に強気な見方を維持している」と強調したが、調整後のポートフォリオの内容は明らかにしていない。
アシェンブレナー氏は2024年にファンドを設立して以来、AI分野への集中投資で投資家の間で高い注目を集めてきた。
ただ株式市場では、半導体株の世界的な売りを通じてAIブームの勢いが鈍化し、関連銘柄のバリュエーションが持続不可能な水準に達しているとの懸念が再燃。AI関連株への集中投資から得られた利益の多くが失われた。空売り投資家も株価の一段安を見込み、売り持ちを積み増している。
ヘッジファンドは通常、借り入れを活用して市場への投資規模を拡大し、運用成績の向上を図る。しかし市場が逆方向に動くと、こうしたレバレッジ取引は急速に悪化し、プライムブローカーから追加担保の差し入れを求められる可能性がある。
アシェンブレナー氏は書簡で「ポートフォリオをリスク許容範囲内に維持するよう努めたが、保有銘柄が急速に値下がりし、市場流動性も低下したため、次第に困難になった」と説明。その上で「現在はポートフォリオからすべてのレバレッジを取り除いている」と補足した。
同氏によると、ポートフォリオは7月に大幅な評価損を計上し、とりわけ直近1週間の主要保有銘柄の極端な値動きが損失を拡大させた。
さらにAI関連株の下落に加え、同ファンドとの関連が広く認識されている銘柄でも不利な取引が発生。同氏は「こうした現象は本質的に取り付け騒ぎと同じで、脆弱性がさらなる脆弱性を招く」と指摘し、ポジション縮小を迫られたことを示唆した。