Ernest Scheyder
[1日 ロイター] - トランプ米大統領は1日、司法長官に指名したトッド・ブランチ司法長官代行が上院で承認されなかった場合でも、同氏を長官代行にとどめる考えを示した。また状況次第で、自身の支持者らを救済対象に含む可能性がある「反武器化基金」の法制化を議会に働きかける意向も改めて表明した。
トランプ氏は7月31日時点では、総額18億ドルの同基金について「消滅した」と述べていた。
上院司法委員会は4日にブランチ氏の指名に関する採決を予定している。ただ与党共和党のジョン・コーニン上院議員とトム・ティリス上院議員は、司法省が同基金を設立しないと文書で保証しない限り、ブランチ氏の承認を留保する考え。同基金については、公金を用いて支持者に利益を与える「裏金基金」だとの批判が出ている。
こうした中でトランプ氏は1日朝、自身の交流サイト(SNS)への投稿で、ブランチ氏を「誰もが認める国内有数の専門家の一人」と評価した上で、コーニン氏とティリス氏が指名を支持しないなら「反武器化法案」の正式な成立を強力に推進すると明言した。
ティリス氏は1日、トランプ氏が姿勢を転換したことでブランシュ氏の承認は困難になったとの認識を示した。一方で4日の委員会採決までに問題解決が図られることに期待を示した。さらにXへの投稿で「昨日まで基金は消滅したと言っていたにもかかわらず、トランプ氏は別の不適切な基金を設立するか、議会に法案可決を求めることで、この支払い基金を復活させようとしている」と批判した。
コーニン氏の事務所はコメント要請に回答していない。
ブランチ氏は上院承認がなくてもトランプ政権の任期満了まで職務を続けられる可能性がある。代理職は、指名が上院の審議中で正式に否決または撤回されない限り在任できるためだ。
トランプ氏はこれまでにも、コーニン氏とティリス氏が議員を退任する来年に、ブランチ氏を再指名できるとの考えを示している。コーニン氏は5月の共和党予備選で、トランプ氏が支持したテキサス州司法長官ケン・パクストン氏に敗れた。ティリス氏は昨年、次期選挙に出馬しない意向を表明している。
反武器化基金は、トランプ氏が内国歳入庁(IRS)による税務記録の取り扱いを巡り起こした100億ドルの訴訟を解決するため、司法省との和解案の一部として構想された。しかし議会内の一部共和党議員の反対を受けて凍結されている。
同基金は、2020年大統領選でトランプ氏が敗北した後に発生した21年1月6日の連邦議会襲撃事件への関与を理由に、連邦政府から不当に標的にされたと主張するトランプ氏の支持者らに恩恵をもたらす可能性がある。
コーニン氏とティリス氏は、トランプ氏や関係者に対する税務調査を制限するIRSとの合意にも反対している。