米保健福祉省(HHS)の監察総監室は17日、米政府によって親から引き離された移民の子どもがこれまでに分かっている数より「数千人」多い可能性があると指摘した。ただ、記録が不十分なため正確な数は依然不明という。

監察総監室は、米自由人権協会(ACLU)が昨年提起した、移民の親子引き離しを巡る集団訴訟に含まれていた2737人よりも、かなり多いことが判明したとしている。

トランプ政権が実施した不法移民に原則として刑事罰を科す「ゼロ寛容(zero tolerance)」政策により、多くの親子が引き離された。トランプ大統領はこの状況に批判が広がったことを受け、昨年6月に不法入国した親子を引き離して拘束する措置をやめ、一緒に収容することを定める大統領令に署名した。

しかし監察総監室によると、政府は「ゼロ寛容」政策が発表される前の2017年から、子どもの安全や健康など別の理由で、犯罪歴のある親や適切な書類を持たない親からの子引き離しを強化していた。

また、トランプ氏の大統領令署名後も、18年7月1日から11月7日の間に27人の5歳未満を含む少なくとも118人の移民の子が親から引き離されたという。

ロイターは6月、「ゼロ寛容」政策導入前の16年10月から18年2月までに米国とメキシコの国境で1800近い移民の家族が引き離されたと報じた。

ただ、これは非公式な集計データで監察総監室が正確な数を把握するのは不可能だ。

監察総監室のリポートを受け、議会民主党はすでに問題の調査を開始し、公聴会を計画していることを明らかにした。

[ニューヨーク 17日 ロイター]
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