(記事更新に関する記述を削除しました)
Miho Uranaka
[東京 3日 ロイター] - 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が3日に発表した2026年3月期の運用収益は41兆3995億円となった。国内外の株価上昇を受けて、自主運用を始めた01年度からの累積収益額は196兆9306億円に達した。
期初には米国の関税政策を受けて世界的に株価が急落したものの、その後、関税政策の緩和を背景に人工知能(AI)や半導体分野への期待が高まり、株式市場は反発した。この結果、株式運用が収益に貢献した。
収益率は国内株式が34.62%、外国株式が27.16%、外国債券が12.33%だった。一方、国債利回りが大きく上昇(価格は下落)したことから、国内債券はマイナス5.11%となった。
25年度末のオルタナティブ資産の時価総額は5兆2067億円で積立金に占める割合は1.7%だった。GPIFは、長期的な運用収益の向上と分散投資を目的に、プライベートエクイティ(PE)や不動産、インフラなどのオルタナティブ資産への投資を進めている。オルタナティブ資産の投資上限は総資産の5%としている。
内田和人理事長は、同比率の伸びについて、投資上限である5%に対して緩やかに見えるものの、運用資産全体の大部分を占める伝統的資産の残高拡大が著しいことが背景にあると説明した。その上で、オルタナティブ資産については、十分なリスク管理の下で着実に積み上げていると述べた。
3月末の保有比率は国内債券26.91%、外国債券24.48%、国内株式23.81%、外国株式24.80%となり、いずれもGPIFが定める指針の範囲内に収まった。
GPIFは長期的な安定収益を確保するために定めた基本ポートフォリオを重視しており、その構成比から大きく乖離(かいり)しないよう、値上がりした資産を売却し値下がりした資産を購入するなどのリバランスを行っている。
名目運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回りは2001年度以降25年間の平均で4.33%と、長期的目標のプラス1.9%を上回った。
一方で、複合ベンチマーク収益率に対する超過収益率はマイナス0.18%となった。内田氏は、オルタナティブ資産の運用収益率は約10%と高水準だったものの、伝統的資産が非常に好調で複合ベンチマークを下回ったことが要因と説明。長期ではオルタナティブ資産の収益率は伝統的資産を上回っており、中長期で評価していくと語った。