Kanishka Singh
[ワシントン 2日 ロイター] - ニューヨーク市警は2日、国連本部近くで男性1人が重度のやけどにより死亡したと発表した。活動家や亡命チベット人向けメディアは、男性は独立を訴えて自らに火を放ったチベット人だとしている。
市警報道官によると、2日午後6時半(2230GMT、日本時間3日午前7時半)ごろに通報を受けて現場に急行したところ、男性が全身に重いやけどを負っているのを発見したという。
男性はベルビュー病院に搬送されたが、死亡が確認された。警察は、捜査は継続中だとしており、男性の身元を明らかにしていない。
亡命チベット人のメディア「ボイス・オブ・チベット」は、チベット人活動家のログバ・ランツェン氏が「ニューヨークの国連本部前でチベットの独立を訴えた後、焼身した」と伝えた。
中国で「民族団結」に関する新法が1日施行された。新法には、中国の国外にいる個人や団体であっても、「民族の団結と進歩を損なう行為」や「民族分離主義を扇動する行為」を行った場合、法的責任を問われる可能性があるとする条項が含まれている。
欧米諸国は懸念を表明。世界各地のチベット人も同法に反対している。
中国外務省の郭嘉昆報道官は3日の定例記者会見で焼身自殺について問われ、チベットは古来より不可分の領土であり、中国政府は「関係国が国内法にのっとりこの問題を処理する」と考えていると述べた。
インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベットのテンチョ・ギャツォ会長は、ランツェン氏を「チベットのためのたゆまぬ擁護者」と表現し、同氏の死に「深い悲しみ」を表明した。
これまでにも、チベット自治区やチベット族が多く住む周辺地域における中国政府の政策に抗議する焼身自殺があった。
同団体によると、2009年から22年の間にチベット人による焼身自殺は150件以上あった。そのデータによると、チベット人が亡命中に焼身自殺を図ったケースは10件に上る。