[ニューヨーク/ロンドン 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが急落した。6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退したことが背景。円はこのところの円安進行を受け政府・日銀による為替介入への警戒感が強まる中、対ドルで急伸した。

終盤の取引で円は対ドルで0.95%高の161.04円。一時は160.62円と、6月18日以来の高値を付けた。1日の上昇率としては4月30日以来の大きさになる公算が大きい。

市場で日本の財務省が為替介入を巡る戦略を転換したとの見方が浮上する中、円買いが加速。日本当局がすでに市場介入に動いた可能性も市場で取り沙汰された。

ロイターは事情に詳しい複数の関係者の話として、日本政府は投機的な為替円安への介入姿勢そのものは崩していないと報道。約40年ぶりの円安進行に対するけん制発言(口先介入)は手控え気味だが、円売りを仕掛ける投機筋をけん制する狙いがあるとの見方も出ている。また当局は、どの水準を超えれば介入に踏み切るかという具体的な「防衛ライン」を示すことを避けており、より攻勢的なアプローチを取っているという。

CIBCキャピタル・マーケッツの外為戦略責任者、サラ・イン氏は「当局が事前にガイダンスを示さない場合、財務省はいつでも市場に介入できることになり、市場は一段と警戒しなければならない」と指摘。「円安に対する財務省の意思疎通や対応の仕方として、より攻勢的な手法だ」と述べた。

円急伸のきっかけは依然として不明。三村淳財務官は2日、この日の東京市場で円が買われたことについて、「何も申し上げるつもりはない。一切コメントは差し控える」と語った。

市場関係者やストラテジストの間でも見方は分かれており、一部では当局が「レートチェック」を実施した可能性があるとの観測も出た。レートチェックは通常、当局が為替介入に動く可能性を示すシグナルと受け止められ、それ自体が為替相場を大きく動かす要因になることもある。

RBCキャピタル・マーケッツ(シンガポール)のアジア担当マクロストラテジスト、アッバス・ケシュバニ氏は「今回の動きが介入だったか確認するには、今後公表されるデータを待つ必要がある」と指摘。ただ「相場が動いたタイミングを考えると、介入だった可能性が示唆されているように思える」と語った。

米労働省が朝方発表した6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は5万7000人増加と、エコノミスト予想を大幅に下回った。前月分と前々月分もそれぞれ下方修正され、労働市場の減速が示されたことを受け、FRBが近く利上げに踏み切るとの観測が後退。金利先物市場で、9月までにFRBが利上げを実施する確率は54%と、雇用統計発表前の67%から低下した。

ただ、CIBCキャピタル・マーケッツのイン氏は「結果は予想より弱かったものの、雇用の減速の大部分はレジャー・接客業に集中していた」と指摘。「何か特別な要因があったのではなく、季節要因の影響を受けた可能性が高く、それほど懸念すべきことではない」としている。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.56%安の100.83。一時は100.55まで低下し、6月18日以来の安値を付けた。

ユーロ/ドル は0.52%高の1.1435ドル。一時は1.1472ドルまで上昇し、6月22日以来の高値を付けた。

ドル/円 NY午後3時 161.03/161.07

始値 161.34

高値 161.64

安値 160.65

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1432/1.1434

始値 1.1410

高値 1.1472

安値 1.1396

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。