[ワシントン 29日 ロイター] - 米最高裁は29日、トランプ大統領によるクック連邦準備制度理事会(FRB)理事の解任を認めない判断を示した。トランプ大統領の異例の試みを阻止し、FRBの独立性を擁護する姿勢を堅持した形だ。一方、トランプ大統領は「直ちに措置を講じる」と表明した。
最高裁の決定は5対4。リベラル派判事3人に加え、保守派のロバーツ最高裁長官とカバノー判事が、下級審の解任手続き差し止め判決を支持し、クック理事の職務継続を当面認めるとの見解を示した。
ロバーツ長官は、トランプ大統領が「クック氏に法律で認められている手続き上の保護を与えなかった。そのような保護がなければ、クック氏は適切に反論することができないだろう」と指摘。「FRB理事は大統領の意のままに職務を遂行する」立場にはなく、「正当な理由がある場合にのみ解任される」と強調した。
トランプ大統領は昨年8月、住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由に、クック理事を解任した。独立性を持つFRBの理事を大統領が解任するのは異例。クック理事はその後、解任は法的根拠を欠くと提訴し、連邦地裁は解任手続きを差し止める判断を下した。トランプ大統領はこれを不服として、最高裁に上訴していた。
クック理事は声明で、最高裁の判断を歓迎。「FRBの独立性が物価安定と最大雇用という議会の責務を果たす上で不可欠であることを認める判決だ」と述べた。
さらに「私自身のためではなく、米国民のためにこの決定に感謝する。国民の経済的幸福は、政治的な脅迫ではなく、責務に注力する中銀にかかっているからだ」とした。
また、トランプ大統領は交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「違法行為を行った者」が米国の重要な決定を下すことがないよう、「直ちに適切な措置を講じる」と投稿した。