Florence Tan Emily Chow

[シンガポール 29日 ロイター] - ホルムズ海峡で新たな船舶攻撃が発生し、ここ数日で米国とイランの間で緊張が再燃したにもかかわらず、中東の産油国は原油と液化天然ガス(LNG)の積み出しを進めている。船舶運航データで明らかになった。

LSEGのデータによると、29日には200万バレルの原油を積載可能な4隻目の超大型原油タンカー(VLCC)がサウジアラビアのラスタヌラ・ターミナルで積み込みを行っているのが確認された。

ほかに3隻のVLCCが原油を積載し、先週末に同ターミナルを出港した。これらの船舶はペルシャ湾を航行する際に攻撃のリスクを減らすため、自動識別装置(トランスポンダー)を切った状態で航行していたが、1隻は29日に位置情報が確認され、海峡を通過して現在は日本に向かっている。

LSEGのデータによると、別のVLCC2隻が28日に海峡に入り、原油を積載するためアラブ首長国連邦(UAE)のターミナルに着岸した。

調査会社ケプラーの分析によると、29日には石油製品タンカー2隻と小型の燃料タンカー1隻がホルムズ海峡を通航したが、通航量は前週を下回った。前週は2月末の紛争開始以降で最高水準で、24日には29隻のタンカーが航行した。ただ紛争前の1日当たり125隻の水準を依然大幅に下回っている。

<イラン、原油積み出しを加速>

米国がイラン産原油の輸出に対する制裁を60日間免除したことを受け、イランも積載作業を加速させている。海事情報企業ウィンドワードによると、イランは27日、カーグ島の輸出ターミナル2カ所で同時に積み込みを行った。

ケプラーのデータによると、イラン船籍のVLCC2隻が27日にホルムズ海峡に入った。一方、UAEとカタール産原油計約800万バレルが先週末、VLCC4隻で運び出された。

IGマーケッツのアナリスト、トニー・シカモア氏は「(ホルムズ)海峡が今後数週間から数カ月、不安定ながら再開が続くとの見方をとるなら、現在の原油価格は下押し圧力を残しつつも妥当な水準だ」との見方を示した。「しかし、週末に起きた一連の衝突がより広範な紛争の再燃につながるリスクがあると感じるなら、現在の原油価格はあまりにも安すぎる」と指摘した。

<カタールとUAEはLNG輸出を継続>

液化天然ガス(LNG)については、ケプラーの船舶追跡データによると、LNGタンカーがカタールのラスラファン・ターミナルで積載を終え、クウェートに向かっている。

またアブダビ国営石油会社(ADNOC)が管理するLNGタンカーは21日にUAEのダス島で積み込みを終え、7月5日にインド西海岸のダヘジ・ターミナルに貨物を引き渡す予定。LSEGとケプラーのデータによると、カタールエナジーが管理するタンカーは18日にラスラファンで積み込んだ貨物を輸送中で、7月3日に中国に到着する見込みとなっている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。