Julia Harte

[27日] - トランプ米大統領がイランとの戦争終結に向けて結んだ暫定合意は、国内で支持率の低下を招き、身内の共和党はもちろん支持者からも批判を浴びている。

ロイターは、2024年の米大統領選でトランプ氏に投票した有権者18人に毎月定期的に取材を行っている。今回の合意では、イランがホルムズ海峡の封鎖を解除する一方、米国はイラン産石油への制裁を一時解除し、イラン再建に向けた3000億ドルの民間基金創設を認める。多くの取材対象者がこの合意に疑問を抱いていることが明らかになった。

ミシガン州のパイロット、テリー・アルバータさん(65)は「少し叩きのめしてから手を引き、再建を許すといったやり方ではなく、イラン政権を真に弱体化させる必要がある」と話した。

ロイター/イプソスの最新の世論調査によると、イランとの戦争に見合う価値があったと考える米国人は回答者の4分の1に過ぎず、過半数は停戦が長続きしないのではないかと懸念している。

トランプ氏に投票した18人の有権者の多くは、イランに対する今回の不人気な譲歩によって、11月の中間選挙で共和党による議会の過半数維持困難るのではないかと懸念していた。ただ、この合意に最も批判的だった層は、戦争前からすでに大統領への信頼を失い始めていた。18人のうち6人は、トランプ氏には今もイランの体制転換に向けた計画があると信じていた。

取材対象者は、イランとの戦争の初期段階ではおおむね今回の作戦を支持し、イランの長距離ミサイル戦力を削ぎ、核開発計画をつぶすためには米国による空爆が必要だと考えていた。

戦争開始から約4カ月後の現在、イランの体制はむしろ政治的に強固になり、その軍事力の多くが依然として無傷な状態にある。取材対象者のうち14人が、6月14日に発表された暫定合意の覚書のいくつかの要素を批判した。イラン政府が合意を守るかどうかを疑問視する声や、復興のために数千億ドルを供与する内容に落胆したという反応が多かった。

3000億ドルの基金は、政府資金ではなく民間投資の枠組みとなるが、具体的な詳細はまだ公表されていない。

カリフォルニア州サンディエゴ近郊に住むフアン・リベラさん(26)は、トランプ氏について「前任者らがテロリストと交渉したと批判していたが、結局はまったく同じことをしてしまった」と述べた。

<歓迎されない支持表明>

リベラさんは、秋の中間選挙では引き続き、主に共和党候補を支持するつもりだ。しかし最近、地域でラテン系有権者への戸別訪問ボランティアに参加した際には、多くのトランプ支持者たちが戦争への対応をはじめとする諸問題に深く失望し、中間選で共和党に投票する熱意を失っていると感じたと話す。

「大統領が約束したことを実行していないのに、なぜ票を投じるだろうと話す人が多かった」と、リベラさんは振り返った。

ホワイトハウスの報道官はロイターに対し、トランプ大統領の「戦場および交渉の場における成果は目覚ましいものであり、今後長年にわたり米国の安全保障を強化するだろう」と述べた。

フロリダ州タンパで販促用品の卸売業を営むスティーブ・イーガンさん(65)は、関税による価格高騰でビジネスが打撃を受け、2025年初頭にトランプ氏への支持を撤回した。イランへの作戦開始当初から、イーガンさんは大統領が掲げる攻撃の正当性に懐疑的で、ガソリンやその他の商品の値上がりに怒りを覚えたという。

「現時点では、あれだけのことを経験してでも攻撃する意味があったとは思えない」とイーガンさんは話し、体制転換という目標が「達成されなかった」と指摘した。イーガンさんの大統領に対する評価は今や極めて低く、中間選挙でどの候補者に投票するかを決める際、トランプ氏による支持表明は彼にとって「致命傷(死のキス)」になるだろうという。

ペンシルベニア州の矯正施設職員で元州兵のブランドン・ノイマイスターさん(37)は、この紛争が石油会社だけに利益をもたらしたように見えると話した。ノイマイスターさんは戦争前から、政治に幻滅しており11月の選挙で投票する可能性は低いと話していた。

ワシントン州在住のロバート・ビラップスさん(35)は、和平合意が維持されることについて慎重ながらも楽観的な見方だ。一方で、この戦争が米国の安全を高めたというよりは、米国に対する敵意をむしろ増大させたとも考えている。

イランとの交渉を主導したバンス米副大統領への評価も下がり、ビラップスさんはもはや共和党候補を特別に支持する気持ちはないと話す。11月の選挙では、「今回は政党に関係なく優れた戦略がある候補に投票するつもりだ」という。

<秘密の戦略>

トランプ氏は戦争を終結させる意向を強調してきたが、取材対象者のうちトランプ氏を忠実に支持する6人は、トランプ氏には今もイランを屈服させる秘密の計画があるのではないかと期待感を示した。

シカゴ近郊に住む公務員のケイト・モットルさん(63)は、イランの体制を「破壊」することこそが、将来の紛争を回避する唯一の方法のように見えると話した。

トランプ氏がさらなる軍事介入を控えるようなことがあれば「非常に残念だ」とモットルさんは語り、「もっと大きな計画がある」はずだと付け加えた。

ノースカロライナ州のエンジニア、リッチ・ソモラさん(62)も、トランプ氏はもっと攻撃的な計画を隠し持っているという見方だ。「これだけのことをやっておいて、あの聖職者たちを排除する方法を考えていないなんて想像できない」と、ソモラさんは話した。

外交官やアナリストらは、この戦争はイランの聖職者支配層の支配力をさらに強める結果となっただけだと指摘する。ソモラさんは、もし彼らがあと1カ月権力の座に留まり続ければ、心配し始めると語った。

アリゾナ州プレスコットの退職者ジョイス・ケニーさん(74)は制裁解除を支持。イランが他国と貿易できるようにすれば、指導者たちも停戦を順守するだろうと話した。

しかし、復興基金については「それは我々の責任ではない」と一蹴した。

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