Cassandra Garrison Stephen Eisenhammer

[メキシコ市 26日 ロイター] - ベネズエラを襲った大震災は、就任から間もないロドリゲス暫定大統領にとって最大の試練となる。崩壊状態の政府で主導権を確立し、国の再建に着手する好機となる可能性もある。

ベネズエラでは24日夜、マグニチュード7.2と7.5の地震が連続して発生。被害の全容が明らかになるまでに数週間かかるとみられるが、米政府のデータモデルによると、最終的な死者数は1万人を超える恐れがある。

それでも、すでに明白なことがある。閉じ込められた人々の救出や負傷者の治療、住宅やインフラの再建には膨大な努力が必要になることだ。一連の対応がロドリゲス氏の政治的未来を決定付ける可能性がある。

トランプ米大統領と緊密な同盟関係にあるロドリゲス氏は、1月に米政府によって追放されたマドゥロ前大統領の下で副大統領を務めていたが、現在は政治的変革者のイメージ確立に努めている。

政治学者のトニー・フランジマワド氏は、ロドリゲス氏が描こうとする「新生ベネズエラという物語は再建を前提としている」と指摘。「この国が今、非常に厳しい状況下で文字通りインフラの再建に直面せざるを得なくなったのは、皮肉なことだ」と語る。

フランジ氏は、長期化する経済危機と公共サービスの衰退を踏まえれば、救出作業と復興は至難の業で、失敗に終わる可能性も十分にあると指摘する。

一方「もし政府が復興戦略をうまく管理し、特に到着し始めた国際援助を適切に受け入れ、世論を効果的に導くことができれば、自然災害を前に『旗の下に結集』するといった国民的団結ムードを醸成できるかもしれない」と述べた。

ロドリゲス氏はそれを実行しようとしている。同氏は震災発生直後、「我々は団結してこの状況を乗り越える」と述べた。

<地震による変革の前例>

米国の強力な支援が結果を左右するかもしれない。1999年に少なくとも1万人が死亡した土砂崩れの際、故チャベス元大統領は米国の援助を拒否した。後にベネズエラの孤立を深めることになる反米姿勢の初期兆候だった。

ルビオ米国務長官は25日、米国の対応は「大規模で迅速、かつ効果的なものになるだろう」と述べた。

アナリストらによると、トランプ政権の援助はベネズエラ国内における米国の役割と政府の米国依存度を高める可能性がある。

コンサルタント会社ポデール・イ・エストラテヒアのリカルド・リオス代表は「この状況は、米国がベネズエラにおける存在感を高め、統制を強めるためにうまく利用されるだろう。ロドリゲス氏にとっても、自身の最大の同盟国である米国に寄りかかる機会となる」と語った。

中南米で地震が政治の行方を決定付けた前例はある。

1972年にニカラグアの首都マナグアを大地震が襲った際、汚職にまみれた復興対応がソモサ大統領の失脚の始まりとなり、79年のサンディニスタ革命で政権が転覆した。

1985年にメキシコ市で起きた巨大地震では、救助活動の不手際が転換点となり、制度的革命党(PRI)による70年間にわたる一党支配の終焉につながったと考えられている。

今回、ベネズエラの復興で失策があれば、ロドリゲス氏がその「顔」となり、世論の反発を招いて同氏の政治的将来を左右しかねない。

米コンサルタント会社マクラーティ・アソシエイツの中南米専門家ポール・アンジェロ氏は「経済が混乱し、ベネズエラ国民800万人の国外流出を伴った10―15年の歳月を経て、ベネズエラの緊急事対応能力は骨抜きになっている」とし、「大規模な国際支援や、一貫した計画、2400億ドルの債務を抱えるとされるこの国への大量資金投入がなければ、復興への道のりは長いものになるだろう」と語った。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。