Takaya Yamaguchi
[東京 29日 ロイター] - 政府が近くまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の原案が29日、判明した。総合的な国力を強くしていくことが高市内閣の使命とし、新たな経済財政運営への抜本的な転換を図ると記す。2%の物価安定目標の下で早期に実質1%超、名目3%超の経済成長を定着させる施策を全面に打ち出す。
原案は、1)マクロ経済運営の基本的考え方、2)日本の成長力強化と安全・安心の確保、3)責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政政策」、4)当面の経済財政運営と2027年度予算編成に向けた考え方――が柱。
マクロ経済運営では「日本と日本人の底力を活かし、総合的な国力を徹底的に強くしていく」と記す。金看板とする強い経済の実現を中核に位置付け、「従来の延長線上ではない、新たな経済財政運営への抜本的な転換を図る」と明記する。
これまでの投資不足の流れを断ち切るとともに「世界的な産業政策の大競争時代に対応していくため、責任ある積極財政の考え方の下、政府が一歩前に出て、官民手を携え、戦略分野への投資を進める」との考えも打ち出す。
成長力強化に向けては、人工知能(AI)・半導体など戦略17分野を中心とする大胆な投資戦略を進める。2040年度までの累計で370兆円を超える官民投資を想定。同年度に国内民間設備投資を年230兆円、国内総生産(GDP)は1100兆円に迫る経済成長を目指す。
債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、経済成長と財政の持続可能性の双方を実現し「2%の物価安定目標の実現の下で、できるだけ早期に、実質で1%を上回る、名目で3%を上回る経済成長を定着させ、さらに引き上げていく」としている。基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)については、債務残高対GDP比の低下に向けて確認する指標とし、その安定的低下と整合するよう複数年で管理する。
従来からの、大規模経済対策を裏付ける補正予算に依存した財政運営からの脱却も明記する。原案では「補正予算については緊要性の高いものに限定し、恒常的な施策については当初予算で措置する」としている。補正予算と当初予算の区分の考え方を検討し、年内に改定する予算編成の基本方針に反映させる。今秋以降に補正予算が必要となる場合でも、真に緊要性の高い施策に限定する。
社会保障負担を巡り「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくとの方針を実現するため、マクロ的な社会保険負担率の目標について検討」していくことも盛り込んだ。首相肝いりの給付付き税額控除や、食料品の消費税率引き下げについても明記する方向で調整を急ぐ。
骨太では、強い経済実現に向け「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」との認識も新たに示す。経済政策との整合性を規定する日銀法第4条や、政府・日銀による共同声明を踏まえ、政府と緊密に連携することを求める。