[オタワ 22日 ロイター] - カナダ統計局が22日発表した5月の総合ベースの消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率は3.2%と予想を上回り、29カ月ぶりの高い伸びを記録した。イランでの戦争に起因する原油高がガソリン価格に波及し続けたことが影響した。
4月の前年同月比上昇率2.8%。ロイターのアナリスト調査では、5月は3%への加速が見込まれていた。
総合ベースのCPI前年同月比上昇率がカナダ銀行(中央銀行)の目標圏(1-3%)から外れたのは約2年半ぶりとなった。
5月の前月比上昇率も1%と、予想の0.8%より高く、過去15カ月で最大の伸びだった。
米国とイランの間で暫定的な和平合意が結ばれたことを受け、6月のガソリン価格は既に大幅反落しており、6月の総合CPIの上昇は鈍化する可能性がある。
ただBMOキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ダグ・ポーター氏は「たとえ1カ月間だけでも、総合ベースの物価上昇率が3%を超えて推移するのを見るのは、決して良いニュースではない」と述べ、5月のCPIについて「全体としてやや失望的」と指摘した。
統計局によると、ガソリン価格の影響を除いたCPIも食品、娯楽、アルコール飲料のコスト高が主導する形で5月の上昇率は2.2%と、4月の2%を上回った。
5月のガソリン価格は前年同月比33.2%も上昇。これによりCPI構成ウエートの約18.5%を占める交通費が同比で9%上がった。
CPI構成ウエートの約17%を占める食品の価格は5月の上昇率が3.8%(4月は3.5%)で、うち生鮮果物が5.3%、生鮮野菜が9%の上昇となった。
一方CPI構成ウエートが約30%と最も大きい住居費は、住宅ローン費用の減少を背景に4月の1.8%上昇から5月は1.7%上昇に減速した。
コア物価指標として注目されている構成品目の変動率の中央値を示す「CPIメジアン」は2.1%、極端な価格変動の項目を除外した「CPIトリム」は2%だった。
ポーター氏は「現実には、コア指数は本質的に目標通りに推移しており、最近の原油価格の大幅な反落が持続すれば、今後数カ月の総合指数(の上昇圧力)を大きく緩和してくれるだろう」と語った。
年内の利上げを予想していなかった短期金融市場は、CPI統計発表後に12月の25ベーシスポイント(bp)の利上げを織り込んだ。