Padmanabhan Ananthan
[22日 ロイター] - 米製薬大手アッヴィは22日、同業アポジー・セラピューティクスを109億ドルで買収すると発表した。同社にとってここ5年余りで最大規模の買収で、アトピー性皮膚炎やぜんそくなどの炎症性疾患治療の製品強化が狙いだ。
製薬業界全体でも主力治療薬の特許切れを背景とした製品群の再構築を急ぐ動きが広がっている。
アッヴィの場合は、バイオシミラー(バイオ後続品)との競争でかつて売れ筋だった関節リウマチ薬「ヒュミラ」の需要が減退する中で、免疫疾患領域の主力薬「スキリジー」と「リンヴォック」の特許切れに備えるため、買収に注力してきた。
アポジーの買収を通じてアッヴィは、広範な炎症性疾患の治療薬候補「ズミロキバート」を入手できる。承認されれば、将来の成長の主要な原動力としている免疫疾患領域においてアッヴィの地歩拡大につながる。
既にアッヴィの免疫疾患部門は、スキリジーとリンヴォックの力強い成長がヒュミラの49%の売上高減少を穴埋めする形で、昨年売上高は前年比14%増の300億ドルを超えた。
アッヴィのロバート・マイケル最高経営責任者(CEO)は今回の買収を同社の戦略に「非常に合致している」と指摘。アポジーの新薬候補群は、アッヴィが年間売上高100億ドル超と定義する「メガブロックバスター」級のピーク売上高を達成できると付け加えた。
今回アッヴィはアポジー株1株当たり135.11ドルの買収額を提示しており、これは18日終値に49.49%のプレミアムを乗せた水準。買収資金は借り入れで賄うとしている。取引は第3・四半期に完了する予定で、2032年の調整後1株当たり利益に寄与する見込みだという。
アナリストらは、ズミロキバートがサノフィとリジェネロンの主力薬「デュピクセント」に対して、より利便性の高い選択肢を提供する可能性があるとの見方を示した。
アトピー性皮膚炎において通常2週間ごとに投与されるデュピクセントとは異なり、ズミロキバートは3カ月ないし6カ月に1回の皮下注射が想定されており、投与回数の大幅な削減を実現する公算が大きい。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブライアン・エイブラハムズ氏は「この取引は理にかなっており、アッヴィはズミロキバートの可能性を最大限に引き出すための理想的な買収者であると信じている」と述べた。