Elizabeth Piper Kate Holton Sam Tabahriti

[ロンドン 22日 ロイター] - スターマー英首相は22日、辞任すると表明した。労働党の新党首は議会が9月に再開するまでに選出される見通し。英政治の混乱に終止符を打つと公約して圧勝した24年7月の総選挙からわずか2年足らずで退陣となった。英国は欧州連合(EU)離脱を是非を問う国民投票を実施した2016年以来、7人目の首相を選ぶことになる。

スターマー氏は、首相官邸前で演説し、党の声に耳を傾けた結果、29年に予定される総選挙を党首として率いる人間は自分ではないと認識したとし、「潔く受け入れる」と述べた。党の組織委員会に対し、後任を選ぶ党首選の日程を策定するよう要請するとした。

「この国で最も大きな仕事を離れたら、最も重要な仕事により多くの時間を費やすつもりだ。良い時も悪い時も私のそばで支えとなってくれた素晴らしい妻ビックにとって最高の夫であり、私の誇りであり喜びである美しい子どもたちにとって最高の父親になる」と語った。

次期党首の立候補の受け付けは7月9日に開始し、7月中旬までに締め切られる。選挙になった場合、9月までに新党首が就任する。

<スターマー降ろし>

労働党内では数カ月前から「スターマー降ろし」の動きが出て、複数の閣僚が辞任。グレーターマンチェスター市長アンディ・バーナム氏が先週の下院補選で勝利したことが、退陣の流れが加速した。

バーナム氏はコミュニケーション能力の高さで定評があり、党内では支持率低迷を挽回できるとの期待がある。

円滑な党首交代が期待されているものの、リスクがないわけではない。複数が党首選に名乗りを上げれば、党を分断する選挙戦となり、政府の機能が麻痺する恐れがある。スカイニュースは22日、側近の話として、ストリーティング前保健相が出馬に意欲を示していると報じた。

<財政運営に不透明感>

英国は、多額の債務と利払い、長年の低成長、歳出削減の難航、防衛費増額の必要性を背景に、主要7カ国(G7)の中で既に最も借入コストが高くなっている。

バーナム氏は、国には根本的な変化と生活費の引き下げが必要だと述べているものの、外交、経済、防衛に関する方針はまだ明確にしていない。

シティバンクは19日、「バーナム政権は不安定な財政状況を引き継ぐことになり、意味のある変化をもたらす手段はほとんどないだろう」と指摘した。

午前の市場ではポンドが対ドルで約3カ月ぶり安値となり、金利は金融危機以来の高水準に迫っている。

スターマー氏よりも左派寄りと見なされているバーナム氏だが、リーブス財務相の厳格な財政規律路線を踏襲すると述べている。だが、投資家はその証拠を確認する必要がある。

ジェフリーズのストラテジスト、モヒト・クマール氏は、英国の長期的な財政への懸念から長期英国債への投資を控えていると述べた。

CIBCのG10通貨戦略ヘッド、ジェレミー・ストレッチ氏は、「(党首)選挙になった場合、本来ならしない、あるいは望まない財政公約をする羽目に陥りかねず、そうなればポンドにとって問題だ」と指摘した。

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