イスラエル「最悪の合意」
トランプは、戦争終結に向けた覚書(MOU)で、イランが事実上封鎖してきた要衝ホルムズ海峡の通航を19日に再開させるとアピールしている。15日にはフランスで記者団に対し、「すべては合意済みだ」と語った。正式な署名式は19日に行われる予定で、覚書のなかには60日間の停戦延長も盛り込まれるという。
詳細が明らかにされていないこともあり、この合意はイランに譲歩したものだとか、重要な核問題を将来に先送りしたなどと、早くも批判を招いている。世界的なエネルギー供給混乱の緩和に期待する声もある一方で、根本的な問題は未解決のままだとの指摘もある。
批判の先鋒はイスラエルで、極右ベザレル・スモトリッチ財務相はこの覚書について「イスラエルにとっても、自由世界全体にとっても悪い合意だ」と述べ、イラン政権打倒に向けた取り組みを継続すると表明している。
イラン国内でも、保守強硬派の新聞『カイハン』や『ホラサーン』は、この合意は米国とイランの根本的な問題を解決しておらず、西側への外交的譲歩だと批判している。一方、比較的穏健な『ハバル・オンライン』などのメディアは歓迎している。
多くの政治家は、全文が公表されるまで本格的な評価を控えている。
ロイター通信は匿名筋の話として、この合意には3000億ドル規模の民間基金が盛り込まれていると報じた。復興基金や賠償金ではなく民間投資の枠組みだという。情報筋によると、米国、湾岸諸国、アジア、南米、アフリカの企業が資金拠出に同意している。
「この基金は覚書が署名されて初めて設立される」と情報筋はロイターに語った。「停戦延長の60日間で、基金運営者はイラン側や投資家と協力し、事業計画やプロジェクトの範囲を策定することになる」