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日本のエネルギー戦略、とりわけ中東産原油・天然ガスへの依存を減らそうとする長年の努力は正しかった。ペルシャ湾の脆弱性に振り回される事態を避けるため液化天然ガス(LNG)の調達先を分散させる戦略は、おそらく当時の世界で最もよく考え抜かれたものだった。だが、いざとなったら機能しなかった。なぜか。

あの狭いホルムズ海峡が本当に封鎖されたことで、日本政府の抱いていた懸念が正しかったことは証明された。しかし長年かけて用意してきた別ルートも、その大半が閉じられてしまった。まだ供給が途絶えてはいないが、戦略的な選択肢は尽きつつある。この先の数カ月で、果たして日本政府がどんな手を打つか。それ次第で、この先数十年にわたる日本のエネルギー事情が決まるだろう。

現状で、まだ日本は「ガス欠」に陥ってはいない。東京や大阪で目先に計画停電が予定されているわけでもない。日本最大の発電会社JERAの最高幹部も、同社のLNG輸入量のうちホルムズ海峡を通過するのは約5%にすぎないと語っている。ならば目先の問題は供給量ではない。高すぎる価格だ。

しかも先行きは不安だらけだ。いくら長期契約があっても「不可抗力」条項が適用されれば供給は止まる。そしてスポット市場の価格は、手が届かない水準まで上がる。

むろん、日本の根本的な脆弱性は地理的条件にある。国内に化石燃料の資源はほとんどなく、原油の約95%は中東からの輸入で、うち70%はホルムズ海峡を通過する。LNGの約11%も中東に依存する。

いわゆるベースロード電力の先物取引価格を見ると、3月3日には東京エリアの2026年度物が過去最高水準の1キロワット時16.38円をつけた。わずか2営業日で34%の上昇だ。その直後、カタール国営のカタール・エナジーが不可抗力宣言を発した。LNG輸出プラントがイランからの攻撃で破損し、操業を止めたという。そうであれば、一時的な価格高騰ではなく構造的な問題ということになる。

4月8日にはアメリカとイランの間で停戦合意が発効したが、永続的な合意はできていない。5月28日には戦闘終結に向けた暫定的な枠組みに関する報道が出たが、双方の説明は食い違い、最終合意には程遠い。しかもホルムズ海峡の安全な航行は約束されていない。このままなら価格の高止まりは来年まで続くとの予測もある。

調達ルートは三方塞がり