[8日 ロイター] - 中国当局が5月末、中国投資家による香港を含む海外への投資を違法に助けているとしてオンライン証券3社を処分したことから、一部の本土投資家は香港市場へのアクセスを失うことを恐れ、香港を訪れて資産移動などの対策を急いでいる。

処分を受けたのは富途控股と老虎証券、長橋証券。3社は6月12日から本土顧客向けの一部サービスを停止すると発表した。

証券大手の試算によると、これにより米国株や香港株を含む540億ドル相当の金融投資が影響を受ける。

本土の証券会社はオフショア取引サービスの提供を認められていないが、香港の認可を持つ証券会社は本土からの渡航者へのサービス提供が可能だ。

香港を訪れた本土投資家の一部は、処分を受けた証券会社から香港に特化した小規模証券会社に資金を移すため、香港の銀行の顧客適性審査をクリアしようと奔走している。

その中の一人である女性は、友人が富途から資産を移すために香港で口座を開設したのを見て、自身も香港への渡航を決めたと語った。

3日には、香港の証券会社ユースマート(uSMART)や致富証券の店舗に、口座開設のため本土から約30人が詰めかけた。

中国当局の取り締まり以降、1日に平均数十人以上の渡航者の口座開設を案内してきたという証券会社従業員は、「富途難民」が多く訪れていると語った。

本土の個人投資家による香港投資が認められるのは、香港との株式相互取引(ストックコネクト)制度か、適格国内機関投資家(QDII)ファンド制度を介した場合のみだ。

中国証券監督管理委員会(CSRC)はロイターのコメント要請に対し、取り締まりは証券会社による本土での違法営業を対象としたものであり、海外事業には影響しないと説明。本土投資家の口座の強制閉鎖や資産の強制精算は行われないとした。

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