Blake Brittain

[ワシントン 4日 ロイター] - アイルランド系米バイオ医薬品企業アマリン・ファーマの心血管治療薬「バセパ」を巡る特許訴訟で、米連邦最高裁は4日、英医薬品大手ヒクマの後発医薬品(ジェネリック)はアマリンの特許を侵害していないとの判断を下した。今回の判決により後発薬メーカーは訴訟リスクを回避しやすくなる可能性がある。

最高裁は9対0の全会一致で下級審のアマリン勝訴の判断を覆した。ヒクマ側はアマリンに有利な判決が下されれば、安価な代替薬の製造・販売が抑制され、米国内の薬価高騰につながると主張していた。トランプ大統領政権はヒクマによる最高裁への上訴を支持していた。

米食品医薬品局(FDA)はバセパについて、血液中の脂肪が過剰になる重度の高トリグリセリド血症の治療と、心臓疾患リスクの低減を目的として2012年に承認し、19年にはより軽症の高トリグリセリド血症に対する用途を追加承認した。

重度の高トリグリセリド血症へのバセパの処方は特許が切れているが、非重度の症状向けは特許が存続するため、FDAはヒクマの後発薬について、重度の症状の治療目的に限って承認し、非重度の症状への使用を除外した「スキニーラベル(限定的効能表示)」の添付を義務付けた。

スキニーラベル制度は後発薬の普及促進を目的としており、後発薬メーカーは先発薬の特許侵害となる効能をラベルから除外することで、特許訴訟を回避できる。

アマリンは20年にデラウェア州の裁判所にヒクマを提訴し、ヒクマの添付文書に加え、プレスリリースやウェブサイト上の記述が、医師に対して軽症の症状への処方を促したと主張した。

連邦巡回区控訴裁判所はヒクマが自社製品について「後発版バセパ」と称しながら、特定の用途のみに承認されている点を明確にしなかったため、医師に特許侵害となる用途での処方を促した可能性があると判断した。

しかし最高裁は、ヒクマの記述が特許侵害を誘発したという「単なる可能性以上のもの」をアマリン側は証明できなかったとした。また、後発薬メーカーが自社製品を先発薬と同等であると説明することは、業界の通常の慣行であるとも指摘した。

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