Takahiko Wada Leika Kihara
[東京 4日 ロイター] - 日銀は15、16日の金融政策決定会合で1%への利上げを検討する。中東情勢を受けた原油価格高騰などを受け、物価上振れリスクへの警戒感を強めており、中東紛争の急速な激化が市場を混乱させない限り、利上げに踏み切る公算が大きい。中東情勢とそれが日本経済に与える影響をぎりぎりまで見極めた上で最終判断する。
複数の関係者への取材で明らかになった。
利上げ決定なら昨年12月の決定会合以来、4会合ぶり。1%への利上げが行われれば、政策金利としては1995年9月以来の高水準となる。
同時に行う国債買い入れの中間評価では、26年度中の買い入れは現行のペースを維持する見通し。27年4月以降は現行の四半期ごとに2000億円の減額ペースを緩めるか、減額をいったん停止する方向で検討される可能性がある。
中東情勢の緊迫化を受け、景気下振れリスクと物価上振れリスクの双方に目配りする必要があるが、植田和男総裁は3日の講演で「経済の下振れリスクを意識しつつも、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことをより警戒する必要がある」と明言。不透明な状況が続くとしても、先行き経済の下振れリスクに比べて物価の上振れリスクが高まると判断される場合には「利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」と述べた。
さらに、物価上昇の動きが広範囲に広がり、それが人々の予想物価上昇率の上昇を通じて、基調的な物価上昇率の上振れにつながる「2次的波及効果」が生じる可能性がある場合、金融政策によって必要な対応を講じることも検討しなければならないとも指摘。インフレリスクへの対応の必要性を強調している。
ただ、経済の先行きは中東紛争の帰すうに大きく依存しており、紛争が急速に激化して重要物資の供給途絶につながるような展開にならないか、金融市場が動揺しないか、決定会合直前まで情勢を見極める。
国債買い入れに関しては、26年度中の買い入れは現行の四半期ごとに2000億円の減額ペースを維持する見通し。27年4月以降については、減額のペースを2000億円から縮小するか、減額を停止して27年1―3月の月2.1兆円で買い入れ額を据え置く可能性がある。
日銀では、買い入れの減額を段階的に進めてきたことで、国債市場の機能度が改善したとの見方が多い。ただ、27年4月以降もさらに買い入れを減らすことについては、金利のボラティリティが増幅されるリスクがあるとして慎重な見方が出ている。植田総裁は講演で、最近では銀行や個人の国債保有が増えてきているが「ポートフォリオ調整にはある程度の時間を要する」とし、国債市場の安定確保に向け、需給バランスに配慮する姿勢を示した。