Dan Rosenzweig-Ziff Nandita Bose Richard Cowan
[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米政権は、政府による司法「武器化」の被害者に対する約18億ドルの補償基金の設立計画を断念する。ブランチ司法長官代行が2日、議会で明らかにした。基金はトランプ大統領が設立を進めていたが、共和党上院議員から異例の強い反発を受けたことから断念に追い込まれた。
ブランチ氏は議員らに対し、「この基金を進めない。以上だ」と明言した。
基金案は、トランプ氏が自身の納税記録の不適切な取り扱いを巡って内国歳入庁(IRS)を相手に100億ドルの賠償金を求めていた前代未聞の訴訟を解決するため、同氏と司法省の間で成立した法的和解から生まれた。
ブランチ氏によると、トランプ氏やその家族の過去の納税記録について今後の税務調査を行わないとの和解内容については維持される。
計画撤回の背景には、移民・国境警備関連予算を盛り込んだ総額720億ドルの法案を巡る議会内の対立がある。議会指導部は、基金計画が撤回されなければ法案成立が困難になるとの懸念を示していた。また消息筋によると、ブランチ氏自身の政権内での立場も、この問題への対応にかかっていたという。
ブランチ氏は先月、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件で警察官を襲った人々を給付対象から除外すると約束しなかったため、共和党議員の怒りを買っていた。
事情に詳しい複数の関係者によると、ホワイトハウス高官らは週明け1日、共和党内の反発を受けて議員らへ電話をかけ、「実際の支払いは行われない」と説明して回った。しかし共和党議員の不満は収まらず、2日の下院小委員会公聴会では計画の完全撤回を明確にするよう求める声が相次いだ。民主党議員らはブランチ氏に対し、計画撤回を文書で約束するよう求めたが、同氏はこれを拒否した。